○おもな元素記号 詳しくは周期表で(byメンデレーエフ)
☞かっこの中は原子番号と原子量=1 molの質量(原子番号は陽子[ようし]の個数を表す)
水素 |
H (1 / 1.0) |
ホウ素 |
B (5 / 10.8) |
炭素 |
C (6 / 12.0) |
窒素 |
N (7 / 14.0) |
酸素 |
O (8 / 16.0) |
フッ素 |
F (9 / 19.0) |
ネオン |
Ne (10 / 20.2) |
ナトリウム |
Na (11 / 23.0) |
マグネシウム |
Mg (12 / 24.3) |
アルミニウム |
Al (13 / 27.0) |
ケイ素 |
Si (14 / 28.1) |
リン |
P (15 / 31.0) |
硫黄 |
S (16 / 32.1) |
塩素 |
Cl (17 / 35.5) |
アルゴン |
Ar (18 / 40.0) |
カリウム |
K (19 / 39.1) |
カルシウム |
Ca (20 / 40.1) |
クロム |
Cr (24 / 52.0) |
マンガン |
Mn (25 / 54.9) |
鉄 |
Fe (26 / 55.9) |
ニッケル |
Ni (28 / 58.7) |
銅 |
Cu (29 / 63.6) |
亜鉛 |
Zn (30 / 65.4) |
ヒ素・砒素 |
As (33 / 74.9) |
臭素 |
Br (35 / 79.9) |
銀 |
Ag (47 / 107.9) |
カドミウム |
Cd (48 / 112.4) |
スズ・錫 |
Sn (50 / 118.7) |
ヨウ素 |
I (53 / 1269) |
バリウム |
Ba (56 / 137.3) |
タングステン |
W (74 / 183.8) |
白金 |
Pt (78 / 195.1) |
金 |
Au (79 / 197.0) |
水銀 |
Hg (80 / 200.6) |
鉛 |
Pb (82 / 207.2) |
ウラン |
U (92 / 238.0) |
オガネソン Og (もとウンウンオクチウムUuo)(118 / 294) |
○原子と元素の違い:
①原子…物質を作っている1つ1つの粒子。元素を構造的に見た場合の呼び方。
②元素…物質を構成する基本的な成分。万物の構成要素。現在、約110種類。
すべての物質は元素の組み合わせで構成されている。
元素は、陽子の数で分類される。元素の中には、中性子数が異なる「同位体」が複数存在する。
〔例〕水素元素の同位体: 水素1H / 重水素2H / 三重水素3H
ヘリウム元素の同位体: ヘリウム3 3He / ヘリウム4 4He
リチウム元素の同位体: リチウム6 6Li / リチウム7 7Li
〇化学式…元素記号を用いて・分子やイオンなどの物質の構成粒子を表した式で、
分子式・組成式・構造式・示性式・イオン式・電子式を指す。
〔例〕酢酸の場合
・分子式C2H4O2(分子を成分元素と原子の数で表した式)
・組成式CH2O(実験式・成分元素とその原子数比を表した式)
・構造式(価標「-」を使って分子の原子間の結合状態を示した式)
H - - O - - N = = C =
H-H N≡N H-O-H O=C=O H - Cl など。
・示性式CH3COOH:(構造式を簡略化した式で化合物の化学的特性を表している)
・イオン式CH3COO-[酢酸イオン](イオンを元素記号で表した式)
・陽イオン(原子や原子団が電子を失って正電荷をもったもの)
①単原子イオンは「元素名イオン」…Ag+銀イオン・Cu2+銅イオン・Ba2+バリウムイオン・
K+カリウムイオン・Ca2+カルシウムイオン・Al3+アルミニウムイオン・Fe2+鉄(II)イオン
②多原子イオンは「~ウムイオン」…NH4+アンモニウムイオン H3O+オキソニウムイオン
・陰イオン(原子や原子団が電子を受け入れて負電荷をもったもの)
①単原子イオンは「~化物イオン」…塩化物イオンCl-・硫化物イオンS2-
②多原子イオンは「~酸イオン」…硝酸イオンNO3-・硫酸イオンSO42-・炭酸イオンCO32-
炭酸水素イオンHCO3- 〔例外〕水酸化物イオンOH-
・磁性金属(鉄Fe・コバルトCo・ニッケルNiなど電磁石に引きつけれる金属)
○おもな分子式:(かっこの中は分子量=1 molの質量)
酸素 O2(32) |
水素 H2(2.0) |
水 H2O(18) |
過酸化水素H2O2(34) |
二酸化炭素 CO2(44) |
一酸化炭素 CO(24) |
オゾン O3(48) |
窒素 N2 (28) |
ヨウ素 I2 |
二酸化窒素 NO2(46) |
塩素 Cl2 (71) |
アンモニア NH3(17) |
メタン CH4(16) |
エタン C2H6 / CH3CH3 |
ベンゼン C6H6(78) |
エチレン C2H4(28) |
アセチレン C2H2(26) |
エタノール C2H5OH |
塩酸HCl (塩化水素)(36.5) |
硫酸 H2SO4(98.1) |
酢酸 CH3COOH |
炭酸 H2CO3(62) |
リン酸 H3PO4 |
二酸化ケイ素SiO2 |
炭酸ナトリウム Na2CO3 |
塩化ナトリウム NaCl(58.5) |
酸化銅 CuO(75.6) |
酸化銀 Ag2O |
硫化鉄 FeS(88) |
硫化水素H2S(34.1) |
塩化銅CuCl2(134.6) |
塩化バリウムBaCl2 |
青酸カリKCN (シアン化カリウム) |
ヨウ化カリウム KI (72) |
|
|
水酸化ナトリウムNaOH(カセイソーダ)(40) |
炭酸水素ナトリウム NaHCO3 (重曹) |
酸化マグネシウムMgO (40.3) |
酸化鉄 Fe3O4 (四酸化三鉄) |
金属を左側に書く。非金属の中では、C→N→H→Cl→Oの順に書く。
分解(1種類の物質[化合物]が2種類以上の物質に分かれる・熱分解・電気分解・⇔化合)
化学変化(=化学反応・性質の違う別の物質になる)
⇔状態変化(加熱・冷却すると、固体・液体・気体のように物質の状態は変わるが、別の物質にはならない)
○炭酸水素ナトリウム(重曹)を熱する: 炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+CO2+水 [熱分解]
2NaHCO3→Na2CO3+CO2+H2O ☞炭酸水素カルシウム:Ca(HCO3)2
☞発生した水が加熱する部分に流れて試験管が割れるおそれがあるので、 重要
試験管の口を底よりも低くする。 ☞カセイソーダ:NaOH
(固体を加熱するときは、水が生成するしないにかかわらず固体に含まれる水分が加熱部へ流れて
試験管が割れるのを防ぐため、試験管の口を少し下げて加熱する。)
☞石灰水が逆流して、試験管の内圧が高まり割れるおそれがあるので 重要
火を消す前に石灰水からガラス管を抜く。 (火を消すと、試験管の内圧が下がるので、石灰水が逆流する)
(熱い吸い物を入れたお椀の蓋が冷めると、蓋が離れにくくなるのと同じ現象)
炭酸水素ナトリウム(白色・水に溶けにくい・水溶液は弱いアルカリ性=フェノールフタレイン溶液は薄い赤色)
炭酸ナトリウム(白色・水によく溶ける・水溶液は強いアルカリ性=フェノールフタレイン溶液は濃い赤色)
CO2(石灰水に通すと白く濁る) 水(塩化コバルト紙が青からうすい赤に)
〔問題〕炭酸水素ナトリウム3.0gを十分に加熱して分解する実験で、試験管の中にできた白い物質を十分に乾燥させて質量を量ったところ1.9gであった。炭酸水素ナトリウムの質量を4.8gに変えて同様な操作をおこったら、白い物質以外の液体と気体の質量をあわせると何g発生するか。(H19・3点)
〔答え〕NaHCO3 を3.0g加熱するとNa2CO3が1.9gできているから、3.0-1.9=1.1gの液体と固体ができたことになる。NaHCO3を4.8gにすると3.0(NaHCO3):1.1(H2O+CO2)=4.8(NaHCO3):x(H2O+CO2)より x=4.8×1.1/3=1.8g//
〔問題〕質量25.2gの試験管の中に1.0gの炭酸水素ナトリウムを入れて、十分に加熱した。気体が出なくなってから、石灰水の入った別の試験管からガラス管を抜き、ガスバーナーの火を消した。もとの試験管の内部の液体をふき取り白い固体が入ったまま試験管とともに質量を量ると25.8gであった。この実験で発生した気体と、できた液体の質量を合わせると何gになるか。また、炭酸水素ナトリウムの質量を3.0gにして同じ実験をおこなうと試験管に残った白い固体の質量は何gになるか。
〔答え〕25.2+1.0-25.8=0.4g//(CO2+H2O) 25.8-25.2=0.6(Na2CO3) 1.0:3.0=0.6:x x=1.8g//
○酸化銀を加熱する: 酸化銀→銀+酸素 2Ag2O→4Ag +O2 [熱分解]
酸化銀(黒色・金属に共通の性質を示さない)
銀(白色・金属に共通の性質を示す) 酸素(火のついた線香を入れると激しく燃える)
金属に共通な性質(磨くと金属光沢・電流や熱を通す・たたくと広げたりのびたりする)
つまり、金属の特性(金属光沢・電気伝導性・熱伝導性・延性・展性[自由電子による])
☞金属光沢は、光が当たると金属の中の自由電子が振動して、同じ波長の光が金属から放出されるので、その光が金属光沢として見える。展性は、薄く広げて箔(はく)にできる性質、延性は線状引き伸ばせる性質。金Auは1gが0.5m2になる。長さにすると約3000mになる。
○木を蒸し焼きする:木→燃える気体+木さく液+木炭(炭)
○水の電気分解: (純粋な水は電流をほとんど通さないので、電流を通しやすくするために、
水酸化ナトリウムNaOHを入れる・水酸化ナトリウムは分解されない。) 電気分解装置
水→水素+酸素 2H2O→2H2+O2 [電気分解]
水素(マイナス極=陰極・火のついたマッチを近づけると、ポンと爆発音を立てて燃えて水ができる)
酸素(プラス極=陽極・火のついた線香を入れると、炎を出して燃える)
(水素と酸素の体積の比が2:1の気体を爆鳴気という)
(水酸化ナトリウム水溶液は皮膚や衣類をいためるおそれがあるので、取扱注意。
目に入ったり皮膚についたら直ちに多量の水で洗い流す・安全眼鏡を着用する。)
(長時間電流を流し続けると、ガラス管内の水酸化ナトリウム水溶液の濃度は高くなる。
理由:水は電気分解されて減少するが、水酸化ナトリウムは電気分解されずに残るので、濃くなっていく。)
○塩化銅水溶液の電気分解:
塩化銅→銅(マイナス極)+塩素(プラス極) CuCl2→Cu+Cl2 [電気分解]
塩化銅水溶液(濃い青色・銅イオンCu2+の色・使い終わったら決められた場所に置く)
塩素(プラス極=陽極・消毒薬のような刺激臭)
化合(2種類以上の物質が結びついて、別の新しい物質[化合物]ができる化学変化)
化合物(化合によってできた物質・単体が2つ以上) 酸化物(酸素と化合した化合物)
酸化(酸素と化合すること) 燃焼(光と熱を出しながら激しく酸素と化合すること)
還元(化合物から酸素が取れること・酸化と還元は同時に起きる)
☞有機物を燃焼させる(CO2と水ができる)
有機物(=有機化合物・C, CO2, CO, Na2CO3, KCNなどをのぞく、炭素を含む物質
・燃やすとCO2[石灰水が白く濁る]とH2O[集気びんの内側が水滴で曇る]ができる・砂糖、デンプン、ロウ、エタノール、プラスティック、プロパンなど)
無機物(有機物以外の物質・食塩や水、金属など)
○鉄と硫黄の化合: 鉄+硫黄→硫化鉄 Fe+S→FeS
☞鉄と硫黄の混合物(鉄が磁石に引きつけられる。塩酸を加えると、鉄が溶けて水素が発生する)
Fe+2HCl→FeCl2+H2 (FeCl2塩化鉄[Ⅱ]=塩化第一鉄)
☞硫化鉄(鉄と硫黄の化合物・磁石に引きつけられない・塩酸を加えると溶けて、
有毒な硫化水素が発生する) FeS+2HCl→FeCl2+H2S (硫化水素)
○銅と硫黄の化合: 銅+硫黄→硫化第二銅 Cu+S→CuS
○銅と塩素の化合: 銅+塩素→塩化銅 Cu+Cl2→CuCl2
○水素と酸素の化合: 水素+酸素→水 2H2+O2→2H2O
○炭素と酸素の化合: 炭素+酸素→二酸化炭素 C+O2→CO2
(不完全燃焼のとき2C+O2→2CO)
○鉄(スチールウール)と酸素の化合: 鉄+酸素→四酸化三鉄 3Fe+2O2→Fe3O4
○マグネシウムと酸素の化合:マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム 2Mg+O2→2MgO [ 3:2:5]
○銅と酸素の化合: 銅+酸素→酸化銅 2Cu+O2→2CuO [4:1:5]
☞酸化銅は化合物で、分子を作らない物質
〔問題〕酸素の分子が10個あるとき、銅の原子が何個あれば、過不足なく反応して酸化銅になるか。
2Cu+O2→2CuOより、「銅の原子Cu」: 「酸素の分子O2」=2:1=20:10 20個//
〔問題〕マグネシウム原子1個と銅の原子1個の質量の比を求めなさい。
Mg:3:2:5, Cu:4:1:5=8:2:10より3:8//
◎色:
[銀・炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム・酸化マグネシウム]と[雲仙普賢岳・北海道有珠山]は白
[酸化銀・酸化鉄・酸化銅・硫化鉄・硫化銅]と[三原山・三宅島]は黒
・原子1個の大きさ(1億分の1cm) 1円玉(1g・約220垓[がい]個のアルミニウム原子でできている)
最も小さい水素原子の半径は6.0×10-9cm、
最も大きいセシウム原子の半径は2.7×10-8cm
最も軽い水素原子の重さは1.7×10-24g、最も重いウラン原子の重さは4.0×10-22g
10-8cm=1Å(オングストローム) 1μm=(マイクロメートル・100万分の1m) 1nm=(ナノメートル・10億分の1m)
〔大きさ〕原子⇒ゴルフボールに例えると、ゴルフボール⇒地球
・ドルトンの原子説(1803年・ドルトンJ. Dalton・日本の江戸時代の人)
①物質はそれ以上分割できない究極の小さな粒(粒子)でできている。
②物質と原子の関係:すべての物質は原子からできている。
③原子と原子の関係:原子の種類によって、質量や大きさが決まっている。
(元素の種類だけ原子がある。原子の質量は炭素の質量を12としたときの質量の比で表す。)
④化合物と原子の関係:原子の種類によって、質量や大きさが決まっている。
(ある化合物の元素の種類と原子の数は決まっている)
⑤化学変化と原子の関係:化学変化によって、他の種類の原子に変わったり、なくなったり、新しくできたりすることはない。(原子の組み合わせが変わるだけで、原子は変わらない)
☞質量保存の法則(byラボアジェ1774)と定比例の法則(Cu→4:1:5, Mg→3:2:5などbyプルースト1779)がもとになっている。
・原子の構造(中心に原子核があり、その周りをマイナスに帯電している電子がK殻・L殻・M殻という軌道を回っている。原子核には、プラスに帯電している陽子と帯電していない中性子がある)
アボガドロの法則(1811年・byアボガドロ)
「温度・気圧・体積が同じ気体にはすべて同数の分子が含まれている」
☞標準状態(0℃・1気圧・体積22.4ℓ)のときの気体に含まれている分子の個数は、
分子の種類に関係なく、6.02×1023個の分子を含んでいる。
アボガドロの分子説(1811年・byアボガドロAvogadro)=ドルトンの原子説+気体反応の法則
「物質は原子が単独で存在するのではなく、いくつかの原子が結びついた粒(分子)が単位になっている」 (原子説では説明できなかった気体反応の法則が説明できる。)
〔例〕・酸素の分子O2=酸素原子2個 ・水素の分子H2=水素原子2個
・窒素の分子N2=窒素原子2個 ・水の分子H2O=酸素原子1個と水素原子2個
・二酸化炭素の分子CO2=炭素原子1個と酸素原子2個 ・プロパンC3H8
・アンモニアの分子NH3=窒素原子1個と水素原子3個 ・ブドウ糖C6H12O6
・メタンの分子CH4 =炭素原子1個と水素原子4個
・エタノール(=エチルアルコール)分子式C2H6O, 示性式C2H5OH, 構造式CH3-CH2-OH
〔問題〕水の分子(H2O)1個の中に、水素分子(H2)、水素原子(H)、酸素原子(O)は
それぞれ何個存在するか。また、水素原子が100個あるとき、水の分子は何個になるか。
〔答え〕水素分子1個、水素原子2個、酸素原子1個、水の分子50個(H=100, H2=50, H2O=50//)
☞質量保存の法則(byラボアジェ1774)・定比例の法則(byプルースト1779)・倍数比例の法則(byドルトン1803)の発見が原子説(byドルトン1803)を生み、
気体反応の法則(byゲーリュサック1808)・アボガドロの法則の発見が分子説(byアボガドロ1811)につながった。
イオン(電気を帯びた粒子・電子を失ったプラスイオン[陽イオン]と電子を受け取ったマイナスイオン[陰イオン]があ
〔例〕食塩NaCl→Na++Cl- 硫酸銅CuSO4→Cu2++SO42-
電離(物質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれること) 硫酸H2SO4→2H++SO42-
電解質(水に溶かしたとき電離して電流を流すことができる物質・NaClなど)
非電解質(水に溶かしても電離しないで電流が流れない物質・エタノール・砂糖水など)
単体(1種類の原子だけでできている物質・元素記号の大文字が1つだけ)
〔例〕酸素O2 水素H2 窒素N2 塩素Cl2 マグネシウムMg 銅Cu 銀Ag 金Au
化合物(2種類以上の原子でできている物質・元素記号の大文字が2つ以上)
〔例〕水H2O 二酸化炭素CO2 アンモニアNH3 塩化ナトリウムNaCl 酸化銅CuO 塩化銅CuCl2
☞2NH3は
「1個の窒素の原子」と「3個の水素の原子」が化合した「アンモニアの分子が2個」であることを表している。
化学式(元素記号[=原子の記号]と数字を使って物質を表した式 〔例〕水H2O 二酸化炭素CO2
(化学式には、分子式・組成式・構造式・示性式・イオン式・電子式があるので、正確には分子式という。)
3H2Oについて(3H2Oは水分子3個・H2は水素分子1個) ☞3 (H2O)のことを3H2Oと表す。
原子…物質をつくる最小の粒。すべての物質の最小の単位
分子…物質の性質を示す最小の単位
☞分子のない物質:鉄や銅などの金属や、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、酸化銅、酸化銀、酸化マグネシウムのようにイオンでできた物質、炭素。
つまり、①金属、②炭素、③イオン結合でできた物資には分子に相当する粒子はない。
☞分子のある物質:分子間力で結びついている分子結晶
☞分子のない物質:①金属元素の原子のように金属結合している金属結晶
②陽イオンと陰イオンからできているイオン結合しているイオン結晶
③非金属元素の原子からできている共有結合している共有結晶
《詳しい説明》
①単体で、分子をつくるのは、酸素O2・水素H2・塩素Cl2・窒素N2・ヨウ素I2・臭素Br2などの気体。
②単体で、分子をつくらないものは、Au, Ag, Al, Cu, Fe, Hg, Naなどの金属、C, S, Si。
③化合物で、分子をつくるのは、H2O, CO2, アンモニアNH3, 塩化水素HCl,硫化水素H2S, メタンCH4,
エタンC2H6,プロパンC3H8, エチレンC2H4, アセチレンC2H2などの気体、酢酸CH3COOH。
④化合物で、分子をつくらないものは、 Ag2O, AlCl3, Al(OH)3, Ba(OH)2, CaCl2, CaCO3, Ca(OH)2, CH3COONa, CuO, Cu(OH)2,
Fe(OH)3, FeS, KOH, MgCl2, Mg(OH)2, NaCl, NaNO3, Na2SO4, NaOH, Na2SO4, SiO2など。組成式で表される。
化学反応式(化学式と矢印を使って、化学変化を表した式) 〔例〕2H2+O2→2H2O
○物質の分類(物質は元素からできている)
(1種類の元素からできているのが単体・2種類の元素からできているのが化合物)
純物質と混合物
物質 = 純物質 + 混合物 純物質 = 単体 + 化合物
単体…1種類の元素からできている物質(物質そのもの→アルファベット大文字1つ
酸素O2・窒素N2・硫黄S・鉄Fe・ダイヤモンドC・赤リンP・オゾンO3・ネオンNe・
ゴム状硫黄Sなど (気体の酸素・水素ガス・金メダル・金属のアルミニウムなども)
☞単体で、分子をつくるのは、酸素O2・水素H2・塩素Cl2・窒素N2・ヨウ素I2・臭素Br2などの気体。
分子をつくらないものは、Au, Ag, Al, Cu, Fe, Hg, Naなどの金属、C, S, Si。
化合物…2種類以上の元素からなる物質→アルファベット大文字2つ以上
水H2O・二酸化炭素(ドライアイス)CO2・メタンCH4・・ヨウ化カリウムKI・
硫酸銅(II)CuSO4・エタノールCH3CH2OH/ C2H5OH/C2H6O・塩化水素
ショ糖C12H22O11・ブドウ糖C6H12O6・アンモニアNH3など
☞化合物で、分子をつくるのは、H2O, CO2, アンモニアNH3, HCl,硫化水素H2S, メタンCH4などの気体、酢酸CH3COOH。
分子をつくらないものは、CuO, NaCl, FeS, Ag2O, CaCl2, SiO2, NaOH, CaCO3, Ca(OH)2, Na2SO4など。
混合物…2種類以上の純物質からできている
空気・海水・石油・泥水・砂糖水・ろう・牛乳・ジュース・塩化ナトリウム水溶液など
☞塩酸(塩化水素と水との混合物)
☞歯や骨に多く含まれているカルシウムCaは単体ではない。
リン酸カルシウムCa 3(PO4)2として含まれているから。
☞純物質について:
・氷H2O・氷水H2O(氷と水が混ざっていても純物質は状態に関わらず純物質である)
・水H2O・水蒸気H2O・液体窒素・ショ糖(=スクロース・成分はブドウ糖C6H12O6
・果糖C6H12O6)C12H22O11・プロパンC3H8
・ミョウバン(硫酸カリウムアンモニウム十二水和物AlK(SO4)2・12H2O/水和物だから純物質)
・硫酸銅(Ⅱ)五水和物CuSO4・5H2Oなど
質量保存の法則(byラボアジェ1774)
(化学変化の前後で、物質全体の質量が変わらないこと・化学変化にも状態変化にも成り立つ)
〔例〕①食塩5gを水95gに溶かすと、100gの食塩水ができる。
②硫酸H2SO4と水酸化バリウムBa(OH)2を混ぜると(質量80g)、
中和して硫酸バリウムBaSO4の白い沈殿と水2H2O(質量80g)ができる。
〔注意〕銅を加熱して酸化銅を作るときは、密閉した容器内でも密閉していない容器内でも質量は変わらないが、石灰石に塩酸を入れると、密閉した容器では質量は反応の前後で変化しないが、密閉していない容器内では発生するCO2が空気中に逃げるので質量は少なくなる。
定比例の法則(byプルースト1779)(化合物をつくっている元素の質量の比はつねに一定)
①マグネシウムと酸素の化合の実験:
(1) マグネシウム6.0gを完全に酸化すると、何gの酸化マグネシウムができるか。
(マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム 2Mg+O2→2MgO)
|
☞〔質量比〕マグネシウム:酸素:酸化マグネシウム =3:2:5になるから、
マグネシウム6.0gを完全に酸化すると、できる酸化マグネシウムの質量は___g。
ans: 10.0
(2) マグネシウム1.2gを酸化させたところ、酸素と化合していないマグネシウムがステンレスの皿に残っていた。
加熱後の物質の質量は1.8gになっていた。このとき、酸化しないで残っていたマグネシウムの質量は何gか。
☞解①:マグネシウム1.2gを酸化すると、酸化マグネシウムは、3:5=1.2:xよりx=2.0gできる。
2.0-1.8=0.2より、0.2gの酸素がまだ酸化していない。0.2gの酸素と化合するはずの
マグネシウムは3:2=y:0.2よりy=0.3g//
☞解②:酸化した酸素の質量は1.8-1.2=0.6 Mg : O2=3:2=x:0.6 ∴x=0.9 よって
酸化したマグネシウムは0.9gだから酸化しないで残っているマグネシウムは 1.2-0.9=0.3g//
(3)マグネシウム5.0gを加熱したが、加熱が不十分だったので加熱後の質量は
7.2gになった。何%のマグネシウムが反応したか。
☞酸化した酸素の質量は7.2-5.0=2.2 Mg : O2 = 3 : 2 = x : 2.2 ∴x = 3.3
マグネシウム5.0gのうち3.3gが反応したから3.3:5.0=y:100 ans: 66%//
②銅と酸素の化合の実験:
(銅+酸素→酸化銅 2Cu+O2→2CuO)
|
〔質量比〕銅:酸素:酸化銅 = 4 : 1 : 5 になるから、
(1)銅6.0gを完全に酸化すると、できる酸化銅の質量は___g。
(2)また、別の実験で、銅6.0gを加熱して質量をはかると6.8gになった。このとき
使われた酸素の質量は___gで、酸化した銅は___gになることから、
酸化していない銅は___g。 重要 ans:7.5, 0.8, 4.0, 2.8
倍数比例の法則(1803年・ドルトン)
|
(2つの元素が2種類以上の化合物をつくるとき、一方の元素と化合する他方の元素の質量の間には、簡単な整数比が成り立つ)
〔例〕一酸化炭素COと二酸化炭素CO2で、炭素と化合している酸素の
質量比は1:2である。
〔例〕マグネシウムの酸化と銅の酸化の実験で同じ質量の酸素と
化合するマグネシウムと銅の質量の比は____になる。
☞Mg:O2:NgO=3:2:5, Cu:O2:CuO=8:2:10より ans:3:8
〔例〕マグネシウム2.7gに、いくらかの銅の粉末が混ざった。
この混合物を加熱して、完全に反応させた。実験後、反応した酸化マグネシウムと
酸化銅の混合物は5.25g得られた。混ざった銅の粉末は何gか。
ans:0.6g Mg : MgO = 3 : 5 = 2.7 : x ∴x =4.5 5.25-4.5 = 0.75
Cu : CuO = 4 : 5 = y : 0.75 ∴y = 0.6 ans 0.6g//
吸熱反応(熱を吸収する反応・温度が下がる反応)⇒物質A+物質B+熱エネルギー→物質C
〔例〕①水酸化バリウムと塩化アンモニウムの反応Ba(OH)2+2NH4Cl→BaCl2+2H2O+2NH3
(実験中にぬれたろ紙で容器にふたをすると、水にアンモニアが溶けるのでにおいを少なくすることができる。)
②炭酸水素ナトリウム+クエン酸 C6H8O7・H2Oクエン酸
CO2が発生して、周囲の熱を吸収するので、温度が下がる。
③硝酸アンモニウム+水 (冷却パック)
または、塩化アンモニウム+水酸化バリウムを混ぜるとアンモニアが発生して、
周囲の熱を吸収するので、温度が下がる。
発熱反応(温度が上がる反応)⇒物質A+物質B→物質C+熱エネルギー
〔例〕①鉄粉の酸化 3Fe+2O2→Fe3O4 (携帯用かいろ)
酸化カルシウム(生石灰)+水 CaO+H2O→Ca(OH)2 (火を使わないで温められる弁当)
②鉄+硫黄→硫化鉄 Fe+S→FeSなどの化合
③水酸化ナトリウム水溶液と塩酸の中和(酸+アルカリ)・
有機物(C,Hを含む)の燃焼(メタンなど+酸素→CO2+H2O+熱エネルギーなど)
・メタンCH4+2O2→CO2+2H2O
・プロパンC3H8+5O2→3CO2+4H2O ・エタノールC2H5OH+3O2→2CO2+3H2O
○おもな化学式(分子式)
H2 |
水素 |
O2 |
酸素 |
Na |
ナトリウム |
H2O |
水 |
O3 |
オゾン |
NaOH |
水酸化ナトリウム |
H2O2 |
過酸化水素 |
Cl2 |
塩素 |
NaCl |
塩化ナトリウム |
CO2 |
二酸化炭素 |
N2 |
窒素 |
NaHCO3 |
炭酸水素ナトリウム |
CO |
一酸化炭素 |
NH3 |
アンモニア |
Na2CO3 |
炭酸ナトリウム |
Ca |
カルシウム |
A1 |
アルミニウム |
Ag |
銀 |
CaCO3 |
炭酸カルシウム |
S |
硫黄(イオウ) |
Ag2O |
酸化銀 |
Cu |
銅 |
K |
カリウム |
AgCl |
塩化銀 |
CuO |
酸化銅 |
Fe |
鉄 |
HCl |
塩酸・塩化水素 |
MgO |
酸化マグネシウム |
Zn |
亜鉛 |
H2CO3 |
炭酸 |
H2SO4 |
硫酸 |
Hg |
水銀 |
HNO3 |
硝酸 |
NH4Cl |
塩化アンモニウム |
Mg |
マグネシウム |
Ca(OH)2 |
水酸化カルシウム・消石灰 |
CH3COOH |
酢酸 |
FeS |
硫化鉄 |
H2S |
硫化水素 |
CuCl2 |
塩化銅 |
Cu2+ |
銅イオン |
SO42- |
硫酸イオン |
H+ |
水素イオン |
OH- |
水酸化物イオン |
Cl- |
塩化物イオン |
はく検電器(静電気を帯びたものを金属板に近づけると、
はくが開く。開いたままになったとき、金属板を触ると閉じる。)
静電気(違った物質を摩擦すると生じる電気・流れのない電気・同じ種類どうしは反発[斥力]・違うものどうしは引き合う[引力]・物質同士が離れていても働く・コピー機、塗装装置、集塵タービンなどに利用)
☞雷は静電気:
積乱雲の中で発達した氷の粒が落下するとき摩擦が生じて静電気が起こり雷が発生する。10億V, 3万A。雲の上層部は粒が小さくプラスに帯電し、
雲の下層部はマイナスに帯電している。地上はプラスに帯電している。
参考:摩擦による帯電は、物質内の電子の移動によって起こる。電子は負電荷である。
(1)発泡ポリスチレンのような絶縁体(誘電体・不動体)は、電界中では誘電分極がおこる。例えば、発泡ポリスチレンの球に、負に帯電したエボナイト棒を近づけると、発泡ポリスチレンを構成する粒子内でエボナイト棒に近い方には正の電荷が、遠い方には負の電荷が現れる。このとき正電荷の方が負電荷よりもエボナイト棒に近いので、発泡ポリスチレン球は引力を受けて、エボナイト棒に引き寄せられて接触する。電荷(電子)の移動は起きないので発泡ポリスチレン球は、エボナイト棒との間の引力で引き寄せられるため、接したまま静止する。(くっついたままになる)
(2)金属のような導体は、電界中では静電誘導が起こるため、負に帯電したエボナイト棒を金属球に近づけると金属球の表面には、エボナイト棒に近い方には正の電荷が、遠い方には負の電荷が現れる。このとき、正電荷の方が負電荷の方がエボナイト棒に近いので金属球は引力を受けエボナイト棒に引き寄せられる。導体の静電誘導によって現れた電荷は外部に出られるので、金属球がエボナイト棒の接触すると、2るの物質の間で電荷(電子)の移動が起こる。よって、金属球はエボナイト棒と同じ種類の電荷(負電荷)を帯び、反発力を及ぼし合う。(離れたままになる)
陰極線(マイナス極から飛び出した電子の流れ・電流とは逆方向に進むと考える)
放電(電気が空間を移動する現象・たまっていた電気が流れ出す現象)
帯電列:(+)毛皮・ガラス・木綿・絹・人体・プラスティック・金属・エボナイト(-)
☞摩擦によって(+)(-)のどちらの電気が生じるかは、相手によって変わる。左側にある物質が(+)に、右側にある物質が(-)になる。エボナイトを毛皮でこすると、毛皮から電子がはがれてエボナイトに移り、エボナイトが負に、毛皮が正に帯電する。エボナイトは生ゴムに硫黄を混ぜて固めた絶縁体。摩擦電気は電子の移動によって起きる。 ☞シャボン玉は(-)に帯電する。
回路・電気回路(電流が流れる道筋)
電流の向き
電流は、電池のプラス極から出て、マイナス極に向かう・電流は、自由電子がマイナス極から出てプラス極に向かう動き。自由電子の流れを電流という。
電流計(回路に直列につなぐ・直接電源につながない・5A, 500mA, 50mAの-端子)
電圧計(回路に並列につなぐ・300V, 15V, 3Vの-端子)
直列回路(1本の道筋でつながっている回路。通常、電流が一定)
並列回路(枝分かれした道筋でつながっている回路。通常、電圧が一定)
回路図(電気用図記号で表した回路・接続する導線の交わりには「・」をつける。
T字接続のときは「・」をつけてもつけなくても、どちらでもよい)
電流の強さを表す単位(アンペア[A]・ミリアンペア[mA]) 1A=1000mA
・1アンペアの定義:①1秒間に1[C](クーロン)の電荷が通過するような電流の大きさを1アンペアとする。(1クーロンとは、導線に1アンペアの電流が流れるとき、1秒間に流れる電気量[電荷]のこと)②真空中で1.0[m]の間隔で平行に張られた非常に長い2本の直線導線に同じ大きさの電流を流したとき、これらの電流間で働き合
力が導線1.0[m]当たり2×10-7[N]のとき、この電流の強さは1アンペアである。
☞電流の記号は[I](イタリック体)
電圧(回路に電流を流そうとする働き・電圧の値が大きいほど回路に電流を流そうとする働きが大きい)
電圧の大きさを表す単位(ボルト[V])☞電圧の記号は[V] or [E](イタリック体)
抵抗・電気抵抗(電流の流れにくさ)
抵抗の大きさを表す単位(オーム[Ω])☞抵抗の記号は[R](イタリック体)
オームの法則(抵抗を流れる電流の強さは、抵抗の両端に加わる電圧の大きさに比例する)
・直列に繋いだ合成抵抗(R=r1+r2) 1kΩ=1000Ω
・並列に繋いだ合成抵抗(1/R=1/r1+1/r2または、2Ωと3Ωの並列の合成抵抗は(2×3)÷(2+3))
○抵抗が6.0Ωの電熱線に60Vの電圧を加えたら、___Aの電流が流れる。 ans:10
J W 秒 V A A Ω |
○直列に繋いだ2つの抵抗2.0Ω,3.0Ωの両端に10Vの電圧をかけると、2.0Ωの抵抗の電圧は___Vになる。また、並列に繋いだ2つの抵抗2.0Ω,3.0Ωの両端に10Vの電圧をかけると、2.0Ωの抵抗の電圧は___Vになる。 ans:4, 10
電熱線が発熱する理由(自由電子の移動が邪魔されるから)
導体(電流を通しやすい物質・金Au・銀Ag・銅Cu・鉄Fe・タングステンW・ニクロムNi+Cr)
不導体・絶縁体(抵抗が非常に大きく電流を通しにくい物質・ガラス・ゴムなど)
半導体(シリコン=ケイ素Siなどダイオードなどの原料)
超伝導(導体が-260℃前後で抵抗が0になる現象) 超伝導体(超伝導を起こす物質)
電力(電気がもっている物体を動かしたり、熱や光や音を出す能力)
電力の大きさを表す単位(ワット[W]・キロワット[kW]) 1W=1V×1A
○消費電力100V-18Wの電球と100V-90Wの電球を100Vの電圧で同時に使ったとき、
__Aの電流が流れる。 ans:0.18+0.9=1.08
○20Ω,30Ωの抵抗の2本の電熱線を直列につなぎ、その両端に100Vの電圧をかけた場合①と、並列につなぎ、その両端に100Vの電圧をかけた場合②、消費電力が最大になるものと最小になるものはそれぞれ、どの電熱線ですか。
ans: 抵抗の小さいほうの電熱線を見て、並列つなぎの電熱線の消費電力が最大になり、直列つなぎの電熱線の消費電力が最小になる。よって、最大は________、最小は_______
熱量の大きさを表す単位(ジュール[J]・カロリー[cal]・ワット時[Wh]) 1cal=4.2J
熱量(電力[W]×時間[秒]) 電力量の単位(ジュール[J]・ワット時[Wh]など)
電力量:電流によって消費したエネルギーの量
1ワット時=3600ジュール(1Wの電力を1時間(3600秒)消費したときの電力量)
1Wh=3600J 1kWh=1000Wh
磁力(磁石による斥力[せきりょく]と引力のこと) 磁界(磁場)(磁力が及ぶ空間)
磁界の向き(磁界の内部で磁針のN極が指す向き) コイル(導線を同じ方向に巻いたもの)
磁力線(磁界の様子を表した線・磁界が強い所ほど磁力線の間隔は狭い・等圧線と風力に似ている)
(水は磁界から遠ざかろうとする性質がある。モーゼ効果)
☞方位磁針のN極が北を指す理由:
地球の核(外核・内核)には、ニッケルと、ほぼ90%を占める鉄が高温で対流していて、電磁石の働きをしている。
北極側がS極、南極側がN極になり、地球上では北極側を方位磁針のN極が指す。
右ねじの法則[アンペールの法則1820年](直線状にした1本の導線に電流を流すと、導線の周りに右回りの同心円状の磁界ができる。
つまり、電流の周囲の磁力線の向きと電流の向きは、右ねじを電流の向きに進ませるとき、磁力線の向きはねじに与える回転の向きに等しい。)
コイルにできる磁界(棒磁石と同じような磁界ができる・磁界の向き右手の4本の指を電流の向きに合わせてコイルを握ったとき、親指が指す方向が磁界の向きになる。
また、コイルの末端を見て、N[電流の向きは左巻き], S[電流の向きは右巻き]の向きが分かる)
コイルにできる磁界を強くする方法:(コイルに鉄心を入れる・巻き数を増やす・流れる電流を強くする)
フレミングの左手の法則[モーターの原理に利用](フレミングの右手の法則もある[発電機の原理に利用])
(電流が作る磁界と磁石の磁界のコラボレーション・磁界の中を電流が流れると、電流によってできた磁界と磁石によってできた磁界が強め合う方から弱め合う方に力を受ける・電流=中指 / 磁界の向き=人差し指 / 力の向き=親指。荷電粒子が磁界の中を運動するときに受ける力をローレンツ力という。
陰極線の流れに垂直に磁界をかけると陰極線の流れが曲がることからわかる。)
検流計・発光ダイオード(プラス極とマイナス極の区別がある)
○上側がN極、下側がS極となっている磁界の中を手前から向こう側に電流が流れると
外(左)向きの力を受ける。
(回路の中に電熱器のような電気抵抗をつないでいるときは、抵抗を小さくすると電流が大きくなるので、ローレンツ力は大きくなる。)
電磁誘導(磁石を磁場に置いて動かすと誘導電流が発生する現象・導線を円筒状に巻いたコイル[巻き方が密なものをソレノイドという]の内部の磁界が変化すると、コイルに電流を流そうとする電圧ができる現象・byファラデー)ソレノイドの内部に鉄心などを入れると鉄心が磁化され電磁石になる。
誘導電流(電磁誘導によって流れる電流・磁石の同じ極を近づけたときと、遠ざけたときでは誘導電流の向きは逆になる[レンツの法則]・動かしていた磁石を静止すると磁界が変化しないので流れない・コイルの巻き数を多くして、磁石を素早く動かすと磁界の変化が大きくなり、誘導電流は大きくなる。)
IH調理器とアルミホイルの真ん中に穴をあけ、紙の芯に通した実験:
アルミはほとんど磁性を帯びないが、IH調理器内部のコイルに交流電流が流れると磁力線が発生し、その磁場を受けたアルミホイルの中に電磁誘導による誘導電流が流れる。
そのため交流電磁場が発生し、IH調理器から出る磁力とアルミホイルに発生する磁力が反発しあってアルミホイルが浮き上がる。
リニアモーター:軸のない電気モーター(電動機)。回転式(rotating)ではなく、直線的な(linear)方向に動力を発生する。浮上する装置の磁気浮上式リニアモーターと区別。
リニアモーターカーやカメラのオートフォーカス、半導体製造装置、宇宙船、一部の鉄道車両、ハードディスクのヘッドに使用。
発電機(電磁誘導を利用して電流を連続して得るための装置・モーターの逆)
直流(プラス極とマイナス極が変わらない電流・乾電池)
交流(電流の向きが絶えず変化している電流・コンセントの電流)
モーターの整流子の働き: コイルが反転するごとに電流の向きを変える。このため、コイルが同じ方向に回転し続ける。
放射線(放射性物質から放出された電磁波)
☞放射線の種類:
①α線(プルトニウムから出る。紙や衣服は通さないが、体内からの内部被爆では臓器にダメージを与え、発ガンの可能性、骨や肝臓にたまる。正の電荷をもつ。ヘリウムの原子核の流れ)
②β線(セシウム・ヨウ素から出る。紙や衣服を通すが、アルミニウムは通さない。負の電荷をもつ。電子の流れ)
③γ線(セシウム・ヨウ素から出る。紙や衣服、アルミニウムを通すが、鉛や厚い鉄板は通さない。電荷をもたない。波長の短い電磁波)
④x線(セシウム・ヨウ素から出る。紙や衣服、アルミニウムを通すが、鉛や厚い鉄板は通さない)
⑤中性子線(紙や衣服、アルミニウム、鉛や厚い鉄板などすべて通す)