Approaching next stop
Approaching next stop

       改札を通る。スイカを使う場所では、私が先に進む。56番線のホームに通じる階段を降りる。左側の5番線に1047分発の立川行きが待っている。表示板を見ながら、考えた。15分ほどすると快速電車が来るのだが、電車を2つ待つことになる。快速電車よりもこの電車の方が先に登戸に着くはずだ。先頭から2両目に乗車した。発車間際で、空いた席がない。進行方向左側のドア付近に立つ。次の駅を過ぎた所で、富士山が見えるかもしれないと期待したが、あいにくビルの陰で見えなかった。空いた席がないかと、隣の先頭車両に目を移す。運転席の窓からだったら、この日のように、強風の吹く晴れた午前中なら、この先で富士山が見えるかもしれない。1両目に移って、運転席のすぐ後ろに立つ。線路が見える。ゲストは、もう前方の景色を撮っている。運転席のカーテンが閉まっていないときや、この場所に人がいないるときに私がたまにすることを、ゲストがやっている。今年の115日に、雪の舞う京浜東北線に乗って、私も運転席の前を撮影したと伝えた。

Mt. Fuji seen from platform
Mt. Fuji seen from platform

           武蔵小杉を過ぎて電車がスロープをのぼり終わるころ、富士山が左前方に現れた。「見て。富士山だ。」という前に、思わずゲストの名前をつけて、叫んでいた。武蔵中原で電車を降りて、ホームからの富士山を見ることにした。あいにく降りた場所からは見えない。ゲストの指示に従って、電車の進行方向とは逆の方に移動した。駅前の建物の間からの富士山だ。続いてやってきた電車に乗って、登戸に向かう。次の駅で、大勢の乗客が降りた。優先席の前があいたので、座ることにした。いつもより膨らんだ鞄を膝の上に載せて、ビデオカメラを持っていたことを思い出した。あれこれ話しながら移動するときは、ビデオカメラよりもデジカメの方が小回りが利く。撮影しながらでも、自然に話が弾む。

Disembark here, please
Disembark here, please

         いつもより、所要時間が短かったような気がする。登戸駅に着いた。改札を出て、左側にある階段を降りていく。タクシーに近づくとドアが開いた。乗り込んで、行き先を告げると、「岡本太郎美術館へは入り口が2つある。どちらにするか」と運転手が聞く。昨夜、調べておいたS大学方面は回り道になるので、「近い方の入り口に行って欲しい」と伝えた。走り出して間もなく、運転席の後ろに座っていたゲストが、昨日、市役所へ行く途中で信号待ちしているときに、コーヒーショップを見つけたときと同じように、左側に座っている私の窓越しに雑貨屋らしいものを見つけたらしい。すぐ通り過ぎたため、私には確認できなかった。タクシーで通ったこの道を、帰りには天気がいいから歩いて帰ろうと言いだした。確かに快晴ではあったが、登戸周辺は、川崎駅にいたときよりも、もっと強い寒風が吹いていて、今にも鼻水が出そうな冷たい日だったが、元気なゲストの言うとおりにした。小田急線の向ヶ丘遊園駅が右側に見えて、狭くなった通りをしばらく行くと、まもなく川崎市生田緑地の入り口に着いた。この先は車両は入れない。直線距離で、目指す岡本太郎美術館は600mほど先にある。