≪重複組合せ≫
異なるn個のものから重複を許してr個取る組合せで、
r個の○と(n-1)本の|の順列の個数を求めることと同じ。
nHr=n+r-1Cr=(n+r-1)!/r!(n-1)!(n<rも可能)
つまり、合わせてr+(n-1)= r+n-1個のうち、r個と(n-1)個がそれぞれ同じものである順列
であるから、nHr=n+r-1Crとなる。少なくとも1個、少なくとも2個のときは「!」による計算を推奨。
〔例1〕
(1)2種類の記号○☓を重複を許してn個取る組合せの総数をnで表す:
☞ 異なる2個のものから重複を許してn個取る組合せの総数を求めるとよいので
2Hn=2+n-1Cn=n+1Cn=n+1C1=n+1//
(2)3個の文字a,b,cから重複を許して4個取り出す組み合わせの総数:
☞ 3種類のものから4個取り出すから、3H4=3+4-1C4=6C2=15//
(3)10個のみかんを4人の子供に分ける方法。1個ももらえない子供がいてもよい:
☞ 4H10=4+10-1C10=13C10=13C3=286// 〔別解〕(10+3)!/(10!3!)=286//
(4)8冊の同じノートを4人に分ける方法の総数(1冊ももらわない人がいてもよい):
☞異なる4個のものから重複を許して8個取る組合せの総数を求めるとよいので
4H8=4+8-1C8=11C8=11C3=165通り//
〔例2〕a, b, cの3種類の文字がある。重複を許して、5個取ると、組合せは何通りか。
☞ a, b, cの3つの文字をいくつか掛け合わせてできる5次の単項式の個数
(使わない文字があってもよい)
aaaaa||, aaaa|b|, aa|bb|c, aa||ccc, |bbb|ccのようになるので7!÷(5!2!) =21通り//
〔別解〕異なる3個のものから重複を許して5個取る組合せを求めるとよいので
3H5=3+5-1C5=7C5=7C2=21個//
〔例3〕りんご、かき、なしを使って、7個入りの果物かごを作りたい。
(i)1つも入らない種類があってもよいとすると何通りの果物かごができるか。
☞全部で7種類の果物を○○○○○○○のように表す。
それを「|」で仕切りを入れて、果物を区別すると、
りんご2個、かき3個、なし2個なら○○|○○○|○○となり、
りんご4個、かき0個、なし3個なら○○○○||○○○となることから、
7個の○と2本の「|」の合計9個を1列に並べることが分かる。よって、9!÷(7!2!)=36 //
(別解)3H7=3+7-1C7=9C7=9C2=36 //
(ii)必ず3種類の果物を入れるとすると、何通りの果物かごができるか。
|が入る場所は○・○・○・○・○・○・○のように、○と○の間の6か所に限られ、
2本同じ場所に入れてはいけないので、6つのすきまに4つのすきま「・」と
2本の「|」を並べることになる。よって、6!÷(4!2!)=15 //
or 6つのすきま「・」に2本の「|」を並べる場所を選べばよいから6C2=15推奨
orりんご、かき、なしを1個ずつ買ってから、
○○○○||を並べる方法は6!÷(4!2!)=15 //
〔例4〕りんご、かき、なしを使って、10個入りの果物かごを作りたい。
(i)1つも入らない種類があってもよいとすると何通りの果物かごができるか。
☞ 全部で10種類の果物を○○○○○○○○○○のように表す。
それを「|」で仕切りを入れて、果物を区別すると、
りんご2個、かき3個、なし5個なら○○|○○○|○○○○○ となり、
りんご4個、かき0個、なし6個なら○○○○||○○○○○○となることから、
10個の○と2本の「|」の合計12個を1列に並べることが分かる。
よって、12!÷(10!2!)=66 // (別解)3H10=3+10-1C10=12C10=12C2=66 //
(ii)3種類の果物のうち最低2個は入れるとすると、何通りの果物かごができるか。
☞ 最低2個は入れるりんご、かき、なしを2個ずつ除外すると、
残りの4個を○○|○|○のように並べることになるので 4!÷(4!2!)=15 //
(別解)3H4=3+4-1C4=6C4=6C2=15 //
〔例5〕5個のりんごを3人に分ける。(☞3人に分ける=仕切り2本)
①1個ももらわない人がいてもよい:
☞ |○|○○○○より、7!÷(5!2!)=21 (別解)3H5=3+5-1C5=7C5=7C2=21
②1人に少なくとも1個は与える:
☞ ○・○・○・○・○の4つのすきまに2つのすきま「・」と2本の「|」を並べることになる。
よって、4!÷(2!2!)=6 //
or 4つのすきま「・」に2本の「|」を並べる場所を選べばよいから4C2=6推奨
(別解)3H2=3+2-1C2=4C2=6 //
〔例6〕候補者が3人で、投票者が8人いる無記名投票で、
1人1票を投票するときの票の分かれ方の総数(候補者は投票できない):
☞ 3種類に分ける=仕切り2本)○○○○○○○○||より、10!÷(8!2!)=45 // 推奨
(別解)3H8=3+8-1C8=10C8=10C2=45 //
〔例7-1〕方程式x+y+z=7の負でない整数解の個数: (☞負でない=0でもよい)
☞ ○○○○○○○||より、9!÷(7!2!)=36 // 推奨
または、3種類の文字から重複を許して7個取る組合せと考えると、
3H7=3+7-1C7=9C7=9C2=36 //
〔例7-2〕方程式x+y+z=4の負でない整数解の個数: (☞負でない=0でもよい)
☞ ○○○○||より、6!÷(4!2!)=15 //
または、3種類の文字から重複を許して4個取る組合せと考えると、
3H4=3+4-1C4=6C4=6C2=15 //
〔例8〕
①方程式x+y+z=12の正の整数解(自然数解)の個数:
☞ 正の整数解より、x-1=X, y-1=Y, z-1=Zとすると、(0でもよい形に変形する)
X≧0, Y≧0, Z≧0, X+Y+Z=9 ○○○○○○○○○||より、11!÷(9!2!)=55 //
または、12個の○の中から、○○○を取り除く残りの○○○○○○○○○||より、
11!÷(9!2!)=55 // 推奨
または、3種類の文字から重複を許して9個取る組合せと考えると、
3H9=3+9-1C9=11C9=11C2=55
②方程式x+y+z=12の0以上の整数解(0を含む)の個数:
☞ ○○○○○○○○○○○○||より、14!÷(12!2!)=91//
③方程式x+y+z=6の正の整数解(自然数解)の個数:
☞正の整数解より、x-1=X, y-1=Y, z-1=Zとすると、(0でもよい形に変形する)
X≧0, Y≧0, Z≧0, X+Y+Z=3 ○○○||より、5!÷(3!2!)=10 // 推奨
または、3種類の文字から重複を許して3個取る組合せと考えると、
3H3=3+3-1C3=5C3=5C2=10 //
〔例9〕3桁の整数nの百の位、十の位、一の位の数字をそれぞれa, b, cとするとき、
a≧b≧c>0を満たす整数nの個数:
☞1 2 3 4 5 6 7 8 9の9個の数字から重複を許して3個取る組合せと考えると
9H3=9+3-1C3=11C3=165通り //
〔例10〕4桁の自然数nの千の位、百の位、一の位の数字をそれぞれa, b, c, dとする。
次の条件を満たすnの個数:
①a > b > c > d : ☞0~9の10個の数字から4個を選んで大きい方から順に
a, b, c, dとすると、条件を満たす自然数nができるから、
求める自然数nの個数は10C4=45通り//
②a < b < c < d : ☞aは千の位であるからa≠0。1~9の9個の数字から4個を選んで
小さい方から順にa, b, c, dとすると、条件を満たす自然数nができるから、
求める自然数nの個数は9C4=126通り//
③a≦ b≦ c≦ d :
☞1≦ a≦ b≦ c≦ d ≦9, 1≦a < b+1≦c+2≦d+3≦12
12!/(4!8!) =12C4=495//
4668の場合|1|2|3|4o|5|6oo|7|8o|9|で4個のoと8個の|で、12!/(4!8!)
〔例11〕大中小3個のさいころを投げて、出る目をそれぞれa, b, c, dとするとき
a < b < c < dとなる場合は何通りか。
1~6の6つのさいころの目から異なる3つを選び、
小さい方からa, b, c, dとすればよいから、求める場合の数は6C3=20通り//
〔例12〕(a+b+c)6の展開式の項の個数:
a, b, cの3種類の文字から重複を許して6個取る組合せと考えると、
3H6=3+6-1C6=8C6=8C2=28//
≪重複組合せ≫
異なるn個のものから重複を許してr個取る組合せで、r個の○と(n-1)本の|の順列の個数を
求めることと同じ。 nHr=n+r-1Cr=(n+r-1)!/r!(n-1)!(n<rも可能)
つまり、合わせてr+(n-1)= r+n-1個のうち、r個と(n-1)個がそれぞれ同じものである順列であるから、nHr=n+r-1Crとなる。少なくとも1個、少なくとも2個のときは「!」による計算を推奨。
〔例1〕
(1)2種類の記号○☓を重複を許してn個取る組合せの総数をnで表す:
☞異なる2個のものから重複を許してn個取る組合せの総数を求めるとよいので
2Hn=2+n-1Cn=n+1Cn=n+1C1=n+1//
(2)3個の文字a,b,cから重複を許して4個取り出す組み合わせの総数:
☞3種類のものから4個取り出すから、3H4=3+4-1C4=6C2=15//
(3)10個のみかんを4人の子供に分ける方法。1個ももらえない子供がいてもよい:
☞4H10=4+10-1C10=13C10=13C3=286// 〔別解〕(10+3)!/(10!3!)=286//
(4) 8冊の同じノートを4人に分ける方法の総数(1冊ももらわない人がいてもよい):
☞異なる4個のものから重複を許して8個取る組合せの総数を求めるとよいので
4H8=4+8-1C8=11C8=11C3=165通り//
〔例2〕a, b, cの3種類の文字がある。重複を許して、5個取ると、組合せは何通りか。
(a, b, cの3つの文字をいくつか掛け合わせてできる5次の単項式の個数
(使わない文字があってもよい):
☞aaaaa||, aaaa|b|, aa|bb|c, aa||ccc, |bbb|ccのようになるので7!÷(5!2!) =21通り//
〔別解〕異なる3個のものから重複を許して5個取る組合せを求めるとよいので
3H5=3+5-1C5=7C5=7C2=21個//
〔例3〕りんご、かき、なしを使って、7個入りの果物かごを作りたい。
(i)1つも入らない種類があってもよいとすると何通りの果物かごができるか。
(ii)必ず3種類の果物を入れるとすると、何通りの果物かごができるか。
☞(i)全部で7種類の果物を○○○○○○○のように表す。
それを「|」で仕切りを入れて、果物を区別すると、りんご2個、かき3個、なし2個なら
○○|○○○|○○となり、りんご4個、かき0個、なし3個なら
○○○○||○○○となることから、
7個の○と2本の「|」の合計9個を1列に並べることが分かる。
よって、9!÷(7!2!)=36 // (別解)3H7=3+7-1C7=9C7=9C2=36 //
☞(ii)「|」が入る場所は○・○・○・○・○・○・○のように、○と○の間の6か所に限られ、
2本同じ場所に入れてはいけないので、
6つのすきまに4つのすきま「・」と2本の「|」を並べることになる。よって、6!÷(4!2!)=15 //
or 6つのすきま「・」に2本の「|」を並べる場所を選べばよいから6C2=15推奨
orりんご、かき、なしを1個ずつ買ってから、
○○○○||を並べる方法は6!÷(4!2!)=15 //
〔例4〕りんご、かき、なしを使って、10個入りの果物かごを作りたい。
(i)1つも入らない種類があってもよいとすると何通りの果物かごができるか。
(ii)3種類の果物のうち最低2個は入れるとすると、何通りの果物かごができるか。
☞(i)全部で10種類の果物を○○○○○○○○○○のように表す。それを「|」で仕切りを入れて、果物を区別すると、りんご2個、かき3個、なし5個なら○○|○○○|○○○○○となり、りんご4個、かき0個、なし6個なら○○○○||○○○○○○となることから、10個の○と2本の「|」の合計12個を1列に並べることが分かる。
よって、12!÷(10!2!)=66 // (別解)3H10=3+10-1C10=12C10=12C2=66 //
☞(ii) 最低2個は入れるりんご、かき、なしを2個ずつ除外すると、
残りの4個を○○|○|○のように並べることになるので
4!÷(4!2!)=15 // (別解)3H4=3+4-1C4=6C4=6C2=15 //
〔例5〕5個のりんごを3人に分ける。(☞3人に分ける=仕切り2本)
①1個ももらわない人がいてもよい:
☞|○|○○○○より、7!÷(5!2!)=21 (別解)3H5=3+5-1C5=7C5=7C2=21
②1人に少なくとも1個は与える:
☞○・○・○・○・○の4つのすきまに2つのすきま「・」と2本の「|」を並べることになる。
よって、4!÷(2!2!)=6 //
or 4つのすきま「・」に2本の「|」を並べる場所を選べばよいから4C2=6推奨
(別解)3H2=3+2-1C2=4C2=6 //
〔例6〕候補者が3人で、投票者が8人いる無記名投票で、
1人1票を投票するときの票の分かれ方の総数(候補者は投票できない):
☞3種類に分ける=仕切り2本)○○○○○○○○||より、10!÷(8!2!)=45 // 推奨
(別解)3H8=3+8-1C8=10C8=10C2=45 //
〔例7〕①方程式x+y+z=7の負でない整数解の個数: (☞負でない=0でもよい)
☞○○○○○○○||より、9!÷(7!2!)=36 // 推奨
または、3種類の文字から重複を許して7個取る組合せと考えると、
3H7=3+7-1C7=9C7=9C2=36 //
②方程式x+y+z=4の負でない整数解の個数: (☞負でない=0でもよい)
☞○○○○||より、6!÷(4!2!)=15 //
または、3種類の文字から重複を許して4個取る組合せと考えると、
3H4=3+4-1C4=6C4=6C2=15 //
〔例8〕①方程式x+y+z=12の正の整数解(自然数解)の個数:
☞正の整数解より、x-1=X, y-1=Y, z-1=Zとすると、(0でもよい形に変形する)
X≧0, Y≧0, Z≧0, X+Y+Z=9 ○○○○○○○○○||より、11!÷(9!2!)=55 //
または、12個の○の中から、○○○を取り除く残りの○○○○○○○○○||より、
11!÷(9!2!)=55 // 推奨
または、3種類の文字から重複を許して9個取る組合せと考えると、
3H9=3+9-1C9=11C9=11C2=55
②方程式x+y+z=12の0以上の整数解(0を含む)の個数:
☞○○○○○○○○○○○○||より、14!÷(12!2!)=91//
③方程式x+y+z=6の正の整数解(自然数解)の個数:
☞正の整数解より、x-1=X, y-1=Y, z-1=Zとすると、(0でもよい形に変形する)
X≧0, Y≧0, Z≧0, X+Y+Z=3 ○○○||より、5!÷(3!2!)=10 // 推奨
または、3種類の文字から重複を許して3個取る組合せと考えると、
3H3=3+3-1C3=5C3=5C2=10 //
〔例9〕3桁の整数nの百の位、十の位、一の位の数字をそれぞれa, b, cとするとき、
a≧b≧c>0を満たす整数nの個数:
☞1 2 3 4 5 6 7 8 9の9個の数字から重複を許して3個取る組合せと考えると、
9H3=9+3-1C3=11C3=165通り //
〔例10〕4桁の自然数nの千の位、百の位、一の位の数字をそれぞれa, b, c, dとする。
次の条件を満たすnの個数:
①a > b > c > d :
☞0~9の10個の数字から4個を選んで大きい方から順に
a, b, c, dとすると、条件を満たす自然数nができるから、
求める自然数nの個数は10C4=45通り//
②a < b < c < d :
☞aは千の位であるからa≠0。1~9の9個の数字から4個を選んで
小さい方から順にa, b, c, dとすると、条件を満たす自然数nができるから、
求める自然数nの個数は9C4=126通り//
③a≦ b≦ c≦ d :
☞1≦ a≦ b≦ c≦ d ≦9, 1≦a < b+1≦c+2≦d+3≦12
12!/(4!8!) =12C4=495//
4668の場合|1|2|3|4o|5|6oo|7|8o|9|で4個のoと8個の|で、12!/(4!8!)
〔例11〕大中小3個のさいころを投げて、出る目をそれぞれa, b, c, dとするとき、
a < b < c < dとなる場合は何通りか。
☞1から6の6つのさいころの目から異なる3つを選び、
小さい方からa, b, c, dとすればよいから、求める場合の数は6C3=20通り//
〔例10〕(a+b+c)6の展開式の項の個数:
☞a, b, cの3種類の文字から重複を許して6個取る組合せと考えると、
3H6=3+6-1C6=8C6=8C2=28//