(+官能基+): 有機化学
官能基(特有な性質を示す基)functional groups |
化合物の例 |
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名称 (水溶性) |
構造 |
一般名 |
特徴 |
名称 |
化学式 |
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ヒドロキシル基(オ) (水酸基) アルコール:(中性) ○ hydroxy group |
-OH |
R-O-H アルコール (R:炭化水素基) |
・Naと反応して H2 発生 ・無水酢酸 (CH3CO)2Oで アセチル化する ・NaOHaqとは 反応しない |
メタノール[1級] エタノール[1級] 2-プロパノール [2級] |
CH3OH C2H5OH(ヨ) CH3CH(OH)CH3(ヨ) |
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フェノール類: (弱酸性) phenols ○ (フェノール性 ヒドロキシ基) phenolic hydroxy group /phenyl group |
C6H5-OH
C6H5- フェニル基 (オ) |
フェノール類
ベンジルアルコール C6H5CH2OH はフェノール類ではない |
・NaOHaq, Naと 反応してH2 発生 , NaHCO3aq に不溶 ・FeCl3(Ⅲ)(aq) で青紫~赤紫 ・無水酢酸(CH3CO)2Oで アセチル化する |
フェノール(紫) o-クレゾール(青) Naフェノキシド 酢酸フェニル サリチル酸(紫) |
C6H5OH C6H4(CH3)OH C6H5ONa C6H5OCOCH3 C6H4OHCOOH(o) |
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カルボキシル基 ○ (カルボキシ基) (弱酸性) (メ) carboxyl group |
-COOH |
R-COOH カルボン酸 R-C=O-OH |
・NaHCO3aq,Na2CO3を 加えるとH2O+CO2 ・NaOHaqに 溶ける ・Mg→H2↑ ・アルコールと反応してエステル生成 |
酢酸 安息香酸 プロピオン酸 フタル酸 ギ酸 |
CH3COOH C6H5COOH C2H5COOH C6H4(COOH)2(o) HCOOH |
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カ ル ボ ニ ル 基 CO |
アルデヒド基・ホルミル基 (還元性) ○酸化されやすい (メ) (中性) aldehyde group |
-CHO
R-C=O-H |
R(H)-CHO アルデヒド
-COHと 書かない |
・銀鏡反応 ・ヨードホルム反応 ・フェーリング反応 (Cu2Oの 赤色沈殿) |
アセトアルデヒド ホルムアルデヒド ベンズアルデヒド ギ酸 サリチル酸 |
CH3CHO(ヨ) HCHO C6H5CHO HCOOH C6H4OHCOOH(o) |
ケトン基・ケト基 (中性) ○ 酸化され にくい ketone, keto group |
>C=O
carbonyl group |
R-CO-R’ ケトン |
・H2付加で アルコールに ・ヨードホルム反応 (注意)銀鏡反応およびフェーリング反応示さず |
アセトン エチルメチルケトン |
CH3COCH3(ヨ) CH3COC2H5 |
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アミノ基 ○ (弱塩基性)(オ)
amino group |
-NH2 |
R-NH2 アミン |
・さらし粉を 加えると赤紫 ・HCl(aq)を加え冷却しながら 亜硝酸ナトリウムNaNO2 →ジアゾ化 |
アニリン メチルアミン |
C6H5NH2 CH3NH2
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ニトロ基 ☓ (中性)(メ) nitro group (cf)-CNニトリル基 nitryl group |
-NO2 |
R-NO2 ニトロ化合物
ニトログリセリンは 硝酸エステル |
・ニトロ基が多いと爆発性あり ・Pt触媒でH2を 作用させると 還元される (C6H5-NH2) ・SnまたはFeと HCl(aq)で還元されアミノ基-NH2になる |
ニトロベンゼン ピクリン酸 2,4,6-トリニトロトルエン |
C6H5NO2 C6H2OH(NO2)3 C6H2CH3(NO2)3 |
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スルホ基 ○ (強酸性)(メ) sulfo group |
-SO3H |
R-SO3H スルホン酸 |
・塩基と反応して 塩をつくる ・ジエチルエーテル, NaHCO3aq, NaOHaqに 溶ける |
ベンゼンスルホン酸 |
C6H5SO3H |
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エーテル結合 ☓ (中性) ether bond |
-O- |
R-O-R’ エーテル |
・Na,酸,塩基とも に反応しない ・単糖を結びつけ たエーテル結合 C-O-Cを グリコシド結合という |
ジメチルエーテル ジエチルエーテル エチルメチルエーテル |
CH3OCH3 C2H5OC2H5 CH3OC2H5 |
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エステル結合 ☓ (中性)
ester bond |
-COO- or -C-O- || | O |
R-COO-R’ エステル
R-C=O-O-R’ |
・芳香性あり ・NaOHaqで 加熱すると 加水分解反応 (けん化) ・カルボン酸と アルコールの 加水分解で 生成 |
酢酸メチル 酢酸エチル アセチルサリチル酸 |
CH3COOCH3 CH3COOC2H5 C6H4(OCOCH3) COOH(o) |
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アミド結合 ・アミノ酸の場合は、 ペプチド結合という peptide bond NHC=O, CONH amino bond |
-N-C- | || H O |
アミド -NHC=O, -CONHとも |
・NaOHaqで 加熱すると 加水分解反応 |
アセトアニリド |
C6H5NHCO-CH3 |
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アミノ酸のカルボキシル基とほかのアミノ酸のアミノ基との間で1分子の水が取れてできるアミド結合を特に「ペプチド結合」という。ペプチド結合をもつ化合物をペプチドという。多数のアミノ酸がペプチド結合で結合した化合物をポリペプチドという。蛋白質はポリペプチド鎖からなる天然高分子である。 |
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アルキル基CnH2n+1 |
アルカンCnH2n+2からH原子が1個取れた原子団。〔例〕メチル基CH3-・エチル基CH3CH2-, C2H5-・プロピル基CH3CH2CH2-,C3H7-・ブチル基CH3CH2CH2CH2-, C4H7- (ビニル基CH2=CH-・メチレン基-CH2-・フェニル基C6H5-などはアルキル基ではない) |
・「R-」は炭化水素基を表す。〔例〕メチル基CH3- エチル基CH3CH2- プロピル基CH3CH2 CH2-
2-メチルエチル基CH3CH(CH3)-, ビニル基CH2=CH-, フェニル基(イソプロピル基)C6H5- など。
・(オ):オルトパラ配向性置換基 (メ):メタ配向性置換基 (ヨ):ヨードホルム反応
・ケトン基とアルデヒド基の中の>C=Oをカルボニル基という。(カルボニル化合物)
・ギ酸H-COOHはアルデヒド基-CHOとカルボニル基(ケトン基)>C=Oをもつので、
還元性と酸性の両方の性質あり。(銀鏡反応を示すのは還元性あり)
・サリチル酸C6H4OHCOOHはフェノール類C6H5OHとカルボン酸RCOOHの両方の性質をもつ。
・「-OH」は無機化合物では塩基を、有機化合物では炭化水素につくとアルコールを表す。
・カルボキシル基-COOHとアミノ基-NH2から1分子のH2Oが取れて生じた結合がアミド結合。
あるアミノ酸のカルボキシル基と隣り合った別のアミノ酸のアミノ基から水が取れて生じた場合がペプチド結合。
・ニトログリセリンは硝酸エステルであり、ニトロ化合物ではない。
・ヒドロキシ酸:ヒドロキシ基-OHをもつカルボン酸R-COOH(-OHと-COOHの両方をもつ)
〔例〕乳酸CH3CH(OH)COOH(光学異性体あり)
酒石酸HOOCCH(OH)CH(OH)COOH(光学異性体あり)
フマル酸(cis-)HOOCCH=CH-COOH
マレイン酸(trans-) HOOCCH=CH-COOH(フマル酸とマレイン酸は光学異性体cis, transの関係)
・アミノ酸:同一分子内にカルボキシル基-COOHとアミノ基-NH2とをもつ有機化合物。20種類ある。
○その他の「基」
炭化水素基 (R-) |
アルキル基 R-, CnH2n+1- |
メチル基(オ) |
CH3- (メタンCH4より) |
エチル基 |
CH3CH2- (エタンC2H6より) |
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プロピル基 |
CH3CH2CH2- (プロパンC3H8より) |
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イソプロピル基 |
(CH3)2CH- |
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メチレン基 |
-CH2- |
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ビニル基 |
CH2=CH- エテニル基とも。ビニル化合物 (重合性) |
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フェニル基(オ) |
C6H5- ベンゼンからH原子を1個除いたアリール基 Ph |
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アセチル基(メ) |
CH3CO- 酢酸から誘導されるアシル基 Ac |
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バレリル基 |
C4H9CO- 吉草酸から誘導されるアシル基 |
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ベンジル基 |
C6H5-CH2- C6H5CH2OH(ベンジルアルコール) |
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メトキシ基(オ) |
-OCH3 |
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アセトアミド基(オ) |
-NHCOCH3 |
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トリメチルアンモニウム基 |
-N+(CH3)3OH- |
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その他 |
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アゾ基 |
-N=N- アゾ化合物 (有色) |
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ジアゾ基 |
-N+≡N ジアゾニウム塩 C6H5N+=NCl-(塩化ベンゼンジアゾニウム) |
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シアノ基(メ) |
-CN (メ) |