*F fφΦ(ファイphi)* ☞力を媒介する粒子(グルーオン・ウィークボゾン・グラビトン)
F [N], F [kg・m/s2]:〔力〕物体の加速度を変化させる原因となるもの。
(力の3要素:大きさ・方向・作用点)
・力は、物体を変形させる原因であり、また、物体の速度を変化させる原因である。
・力は、大きさと向きをもつベクトルvector(例:速度・加速度・運動量・変位などで、線分に矢印を付けて表す。
線分の長さがベクトルの大きさを、線分の方向と矢印がベクトルの方向を表す。Fのように文字の上に矢印を付けるか、
大文字の太字斜体Fをつかう。質量massは大きさをもち、力をもたないスカラーscalar
(例:エネルギー・温度・熱量・速さ・時間・角度などで、-5℃はある量を基準にしてそれより少ないことを表していて方向を示していない。
また、西向きに5℃とはいわない)。
☞いろいろな力: ●接触する他の物質から働く力 ○接していなくても働く力
重力○ |
地球が物体を引く力。物体の運動状態によらず、物体の重心に鉛直下向きにかかる。 質量m[kg]の物体の場合、重力はF=mg[N]。 |
張力● T |
ひもなどが物体を引く力。物体と接触している点にひもが引く向きにかかる。 |
弾性力● |
ばねなどの弾性体が自然長に戻る向きの力を両側の物体に及ぼす力。 F=kx (ばね定数:k, ばねの伸び:x) |
浮力● |
流体(気体や液体)が物体に及ぼす鉛直上向きの力。物体が押しのけた流体の重さと同じ大きさ。F=Vρg (V:物体の流体中での体積, g:重力加速度, ρ:流体の密度) 浮力は、物体の上面が流体から受ける圧力による合力と、下面が流体から受ける圧力による合力の差によって生じると考えることができる。 |
抗力● |
物体に接している面が物体を押す力。抗力は垂直抗力と摩擦力を求めて三平方の定理を使って計算する。 |
垂直抗力 |
抗力のうち、面に垂直な成分。 |
摩擦力 |
面に平行な方向の運動を妨げる向きに働く力。 |
動摩擦力 |
面上を滑っている物体に働く。大きさはμ’ N(μ’:動摩擦係数) |
静止摩擦力 |
面上に静止している物体に働く。 静止摩擦力の最大値=最大静止摩擦力=μN (μ:最大静止摩擦係数) |
揚力lift |
飛行機の翼のような薄い板を傾けて流体中を動かすときに生じる板の方向に垂直な力。 一様な流れの中に翼を置くと、流線は上のほうが蜜で下が疎になる。よって上のほうが流れが速く下は遅い。このようにして得られる力。(連続の式vS=一定を使う)進行方向に対する板の傾き(迎え角)が大きいほど揚力は大きいが、150o以上になると板の背後に渦が生じ揚力が減り抵抗が増すので失速する。(cf)クッタージューコフスキーの定理・クッタの条件 |
推力thrust / propelling force |
運動の第2法則と第3法則で定量的に表される反作用の力。ある系において、ある方向に質量を放出または加速すると反対向きでつりあった大きさの力が発生する。抗力と加速による慣性力の和に相当する。 |
接触力● |
物体に接触して及ぼす力。張力・弾性力・浮力・抗力など。 |
非接触力○ |
物体に接触することなく及ぼす力。万有引力・電気力・磁気力の3つ。 |
保存力 |
物体がA点からB点に移動する間に、物体に働く力のする仕事が途中の経路に依存しない場合、その力をいう。重力・弾性力など。 |
非保存力 |
経路によってする仕事が異なる力。動摩擦力・張力など。 |
万有引力 |
物体間に働く力。重力はこの一種。 |
電気力 |
電場(電界)の中で荷電粒子が受ける力。 |
磁気力○ |
磁場(磁界)の中で運動する荷電粒子(電流)が受ける力。 |
圧力 |
面に対して垂直に押す力の単位面積当たりの大きさ。[Pa]=[N/m2](通常、1 m2当たりに何Nの力が働くかを表す) |
気圧 |
大気が物体に及ぼす圧力。気体分子は壁に衝突するとき壁に力を及ぼす。このとき、多くの分子が壁に対して連続的に衝突するので壁は一定の力を気体分子から受ける。この力が、気体の圧力の原因である。1[Pa]=1[N/m2], I[atm]=1.013×105[N/m2] |
水圧 |
水が物体に及ぼす力。水から受ける圧力。p=ρhg。ρ[kg/m3]:水の密度。水圧は水深に比例する。深さh[m]の水中にある体積の物体が受ける浮力p’[Pa]の大きさは、p’[Pa]=[水面が受ける大気圧p0]+[水圧ρhg] |
静電気力○ (クーロン力)
|
帯電体(電荷)が力を及ぼす。同符号の電荷間では反発する力(斥力)が、異符号の電極間では引き合う力(引力)が働く。この大きさは、力を及ぼし合う2つの電荷の絶対値の積に比例し、電荷間の距離の2乗に反比例する。F=k・{|q1q2|/r2} (F:クーロン力,r:2つの電荷間の距離,q:電気量, k:比例定数) |
F [N] 合力resultant force =F1+F2 〔力の平行四辺形の法則・力の三角形の方法〕
(F1, F2:分力component forces)この逆は「力の分解」
F [N]を直角に分解するとFx [N]=Fcosθ, Fy [N]=Fsinθ
☞運動の3法則:
①〔第1〕慣性の法則 ②〔第2〕運動の法則F=ma ③〔第3〕作用・反作用の法則F12=-F21
☞自然界に存在する4つの力:
(1)強い力(クォークを結び付けてハドロンを構成:原子核を作る力[核力]・α崩壊をもたらす力など)
(2)弱い力(原子核のβ崩壊をもたらす力など)
(3)電磁気力(電荷をもつ粒子の間に働く)
(4)重力(W [N]= mg :質量をもった粒子の間に働く)
☞近接力と遠隔力:
①近接力(弾性力elastic force[フックの法則]・張力tention: T [N]・摩擦力)
②遠隔力(重力gravity:W [N]=mg・電気力・磁気力)
☞保存力と非保存力:
Ⓐ保存力(重力W [N]= mg・弾性力F [N]=kx・万有引力・静電気力)
=力学的エネルギー保存の法則が成り立つ
自由落下:(1/2)mv2+mgh=一定, ばね振り子:(1/2)mv2+(1/2)kx2=一定
Ⓑ非保存力(摩擦力frictional force・抵抗力resisting power)
=力学的エネルギー保存の法則が成り立たない
(cf)N [N] 〔垂直抗力〕 圧力[Pa]=[N/m2], 1[atm]=1013[hPa]
抗力 reaction, drag:
物体を面に対して斜めに力K[N]で押すとき、
反作用として面から物体が受ける力R[N]。
垂直抗力 normal reaction, vertical drag:
面に垂直である抗力の分力N[N]。面に対して垂直に押すときは、
抗力と垂直抗力は一致する。また、面に平行な分力F [N]が摩擦力である。
移動中は、垂直抗力と摩擦力の合力が抗力となる。
(cf)1[N]とは、質量1[kg]の物体に1[m/s2]の加速度を生じる力
(cf)〔力のモーメント〕M=Fd [N・m]物体に加わった力が物体を回転させる働き。
物体にいくつかの力F1, F2, F3,…が働いていて、
それぞれの力のモーメントM1, M2, M3,…がM1+M2+M3+…=0
つまりΣ(i)Mi=0のとき力のモーメントはつりあっていて、物体は回転しない。
usu.左回りを+、右回りを-とする。
(cf)〔偶力〕a couple of forces:剛体に働く、平行で逆向き、かつ大きさの等しい2つの力。平行であるから、合力は考えられない。回転運動はできるが、並進運動は起こらない。平行で物体を回転させる働きをもつ、逆向きの同じ大きさの2つの力・合成できない。力対ともいう。平行で逆向きで等しい大きさの2力F, -F
M [N・m]=FaまたはM=Fl (a[m]:2力の作用線間の距離またはl)
←2力のモーメントの和より、
Fx+F(a-x)=Fa 偶力のモーメントはどの点の周りで考えても同じ値になる。
(cf)〔復元力〕strength of stability物体を振動の中心に戻そうとする力。
復元力の大きさは、振動の中心からの距離に比例する。
単振動は復元力の基での運動である。
〔例〕F=-kx(単振動)
(cf)〔撃力〕impulsive force:
バットでボールを打つときのように、短時間に加わる大きな力。
球とバットの接触時間⊿tはきわめて短く、力の大きさが急激に変化する。
F=(mv '-mv)/(⊿t)[N]
(1)Fx=Fcosθ(x成分), Fy=Fsinθ(y成分)
☞斜面上の物体:T=mgsinθ, N=mgcosθ T:張力, N:垂直抗力
(2)F [N]=kx:〔弾性力elastic force・ばねの伸び縮み〕(弾性限界内で比例=フックの法則)
k[N/m]:ばね定数, x[m]
(cf)U [J]=(1/2)kx2 〔弾性力による位置エネルギー(弾性エネルギー)〕
k[N/m]:ばね定数, x[m]
(3)F [N]=μN=μmg:〔摩擦力〕friction force(物体の動きを妨げる力) N [N]:垂直抗力
引っ張っても物体が動かないとき引く力 |
摩擦力・静止摩擦力 |
F=F |
物体が動き出す直前の引く力 |
最大(静止)摩擦力F0, Fm=μN |
μ:静止摩擦係数 |
物体を引っ張って移動しているときの力 |
動摩擦力F’=μ’N (μ’<μ) |
μ’:動摩擦係数 |
(4)F [N]=ρVg :〔浮力〕(密度ρの中にある体積V [m3]の物体が受ける浮力)
ρ〔ロー〕[kg/m3]:密度, V [m3]
浮力 buoyancy:液体が物質に及ぼす圧力の合力。
・液体中の物体が、周囲の液体から上向きに受ける、
その物体と同じ体積の液体の重さに等しい力のこと。(気体中でも同様である)
〔アルキメデスの原理〕
液体中の物体は沈んでいる部分と同体積の物体が押しのける液体の重さに
等しい力(浮力)で、押し上げられる。
(cf) 抵抗力:液体中を運動している物体が、周囲の液体から運動を妨げる向きに
受ける力のこと。(気体中でも同様である)
・底面積S [m2], 密度ρの直方体を密度ρ0の水に浮かべたとき、
高さl [m]のうち水面上にx [m]出ていたとき、
浮力FはF=ρ0S(l-x)g(鉛直上向き)
・このときの重力FはF=ρSlg。
水面上に出ている部分を水面まで手で押さえてから手を放した直後の運動は
ma=浮力ρVg-重力m gよりρSla=ρ0Slg-ρSlg
(5)F [N]=ma:〔運動方程式〕 m [kg]:質量, a [m/s2] =運動の第2法則:
質量mの物体に力Fが作用したときの加速度aは力Fに比例し、質量mに反比例する関係より
①滑らかな水平面上: F[N]=ma
②粗い水平面上: F [N]=ma+μN, N=mg ∴F [N]= ma+μmg
外力F [N]で動摩擦力μ’の水平面上にあるm[kg]物体を引いているとき、
ma= F [N]-μ’mg)
☞摩擦のある斜面上のつり合い(外力Fで支える):
F [N]=mgsinθ-μN, N= mgcosθ
☞水平な床(動摩擦係数μ)に載せた質量mの物体が加速度aで滑り出したとき、
水平に引く力の大きさ:F [N]=ma+μN
☞水平な床に置いた物体を水平面に対してθの角度で斜め前方に引っ張るとき、
①動き出す直前の垂直抗力N: mg=N+Fsinθ(鉛直成分)
②静止摩擦係数μ: μN=Fcosθ(水平方向) coefficient of statical force
③動き出したときの動摩擦係数μ’: coefficient of kinetic force
ma=Fcosθ-μ’N(水平方向)
☞水平面上に並ぶ2物体A,B(Aを押す)A: F=mAa+R, B: R=mBa R:AがBを押す力
☞水平面上でMの上にmを載せて、MをF0で引くと、mが滑り出すときF0:
F0=μ(M+m)g ←最大静止摩擦力をf0とすると、
F0=Ma0+f0, f0=μmg, ma0=μmgよりこの式になる。
☞糸で連結した2物体A,B(Aを引く)A:mAa1=F-T1, B: T1=mBa1
☞糸で連結した2物体A,B(Bを引き続ける)A: T2=mAa2, B: mBa2=F-T2
☞人工衛星の運動方程式:m・v2/(R+h)=G・(mM)/(R+h)2
m[kg]:人工衛星の質量, M[kg]:地球の質量, R[m]:半径, h[m]:高さ
☞ma=Fは「質量mの物体に加速度aを生じさせる原因となるのが、
物体に働く合力Fであること」を意味している。
F-ma=0は「物体に働く合力Fと慣性力-maがつり合っていること」
(ダランベールの原理)’dAlenbert’s principleを表している。
(6)F [N]:空気抵抗を受ける物体の運動:
①霧や雨粒のような、形が球(半径r)で速さが遅い物体の空気抵抗の大きさ:
F=krv (k:比例定数) ☞抵抗力kv=重力mgより、終端速度:v=mg/k
②球(半径r)の後方に渦ができるような速さが速い物体の空気抵抗の大きさ:
F= k’r2v2 (k’:比例定数)
(cf) W [N]=mg:〔重さ〕(物体に働く重力の大きさ) g:重力加速度(9.8[m/s2],
m:質量[kg](物体の慣性の大きさ・動かしにくさ・場所が変わっても値は変化しない)
(1)mgsinθ:斜面方向の分力 θ:斜面と水平面との角
(2)mgcosθ:斜面に垂直な方向の分力
(7)F [N]=μmgcosθ:〔摩擦力friction force〕
(平面とθの角度で斜めに引く場合の抗力の面に平行な成分)
(8)F [N]=-ma:〔慣性力〕
加速度aで運動している観測者(加速度aをもつ観測者)から見ると、
質量mの物体に-maの力が働いているように見える見かけの力。
地上の人から見るときは、慣性力を用いない。
加速力をもった動く人から見るときに慣性力を用いる)
①地上(慣性系)から見ると物体は加速度aで運動している。
②車内(非慣性系)から見ると物体は静止している。
☞バンジージャンプをしながらもっていた質量mのボールを放すと、
ボールは宙に浮いたように見える(無重力状態)。
重力加速度をgとしたとき、この人にはボールに上向きの大きさmgの慣性力が
働いているように見える。
(9)F [N]=ma=mrω2=m(v2/r)ω: ω[rad/s]:角速度(=v/r)
〔向心力〕centripetal force, 〔遠心力〕centrifugal force
(cf)a=vω=rω2=v2/r(等速円運動の加速度・向心加速度)
☞向心力:重力や張力などの単独の力ではなく、物体に働くすべての力の合力が中心に向く場合の呼び名。
等速円運動をしている物体が受ける中心に向く力。F[N]=(mv2)/r
☞遠心力:円運動する物体とともに円運動する観測者が物体を観測するとき、
物体の円運動の中心から遠ざかる向きに現れる慣性力。遠心力の大きさは向心力と大きさが等しく、向きが反対である。
☞遠心力・垂直抗力・重力の関係:
(参考)扇形の面積:S=(1/2)r2θ=(1/2)lr, 弧:l=rθ
・半円筒状のトンネル内で質量m[kg]の物体を水平な地面から天井に向かってトンネルの壁面に
垂直に転がすと、
①地面から壁面が地面と垂直になる部分まで
(3π/2 <θ<2π)は、遠心力F[N]=m・(v2/r)はF+mgcosθ=N[N], その後、
②天井の最高点まで(0<θ<π/2)はF=mgcosθ+N[N]となる。 また、
③円柱状の外側を登るとき(0<θ<π/2)は、F+N[N] = mgcosθとなる。
(10)F [N]=-mAω2sinωt:〔復元力〕(単振動を引き起こす力)
(11)F[N]=G・(mM)/R2= G・(m1m2)/r2:
〔万有引力の法則〕law of universal gravitation
G=6.67×10-11[N・m2/kg2](万有引力定数univerdal gravitation constant)
r[m]:物体m1, m2の間の距離, M [kg]:地球の質量,
R [m]:地球の半径, m [kg]:物体の質量
(cf)U [J]=-G・(Mm)/r(2乗ではない):万有引力による位置エネルギー
(12)F [N]=mv2/r:〔惑星に働く向心力〕
m[ kg]:惑星の質量, v[ m/s]:公転運動の速さ, r[ m]:軌道半径
(13)F[N]=k0・(q1q2)/r2〔静電気力・クーロン力〕
(静止している電荷のある2つの物体間に働く力で、引力と斥力がある。)
〔クーロンの法則〕(万有引力の法則と似ている)
2つの小さな帯電体の電荷(点電荷)の間で働く静電気力の大きさFは、
点電荷間の距離rの2乗に反比例し、2つの点電荷q1, q2の積に比例する。
q1, q2[C]:点電荷, k0=9.0×109[N・m2/C2](クーロン定数),
r[m]:電荷間の距離
(F[N]= k0・(|q1||q2|)/r2 k0=9.0×109[N・m2/C2]もある)
(cf) 〔静電気力・クーロン力〕F[N]=qE:
電場E[N/C]の点でq[C]の電荷が受ける静電気力(クーロン力)
(14)F[N]=(1/2)QE=(1/2)εE2S〔平行コンデンサーの2つの極板が引き合う力〕
Q:電荷, E:電界, ε:誘電率
静電気+static electricity / static:
帯電した物体(帯電体)の表面にとどまって動かない状態にある電気のこと。
正電気positive electricityと負電気negative electricityがある。
①導体electric conductor, conductorでは、導体内の自由電子の移動(静電誘導)electrostatic inductionで
正電荷⊕と負電荷⊖が生じる。電界中の導体:電荷は導体表面に分布する。
導体の電界の強さは0。電気力線は、導体表面と直交する。導体部は等電位で、導体表面は等電位面。
②不導体non-conductor(誘電体dielectric substance・絶縁体insulator)では、
不導体内の原子や分子の分極(誘電分極)dielectric polarizationが起こり、
正電気⊕と負電気⊖が生じる。
☞静電遮蔽・静電しゃへいelectro-static shielding:
・導体内部の空間は、外部の電界の影響を受けない。
E=0 / 金属球殻より内側の電界は、外側の電界とは独立し外側の電界の
影響を受けない。
・接地(アース)した金属導体(金網でもよい)で物体を遮蔽すると、
その物体は外部の電界の影響を受けない。
また、その物体が帯電しているときは、電界は外部に影響を与えない。
○帯電列: (+)毛皮・ガラス・木綿・絹・人体・プラスティック・金属・エボナイト(-)
摩擦によって(+)(-)のどちらの電気が生じるかは、相手によって変わる。
左側にある物質が(+)に、右側にある物質が(-)になる。
(15)F[N]=qE:〔静電気力・クーロン力〕
電場E[N/C]の点でq[C]の電荷が受ける静電気力(クーロン力)F[N]
(16)F[N]=(εSV 2)/(2d2), ε:誘電率
〔⊿d[m]だけ引き離すためにコンデンサーに加えた外力F[N]の大きさ〕
(17)F[N] =2ρωvsinφ:〔コリオリの力・コリオリ力・転向力〕also F=-2mω×(dr/dt)
v[m/s] :風速, ρ:空気の密度, ω:地球の自転の角速度, φ:緯度
転向力Coriolis force:地球上で運動する物体に働いているように見える進行方向を曲げる力。
地球の自転が原因。北半球ではすべて右に、南半球ではすべて左に曲がる。両極で最大。
赤道上では見られない。緯度によって地球の自転速度が異なるために生じる。
赤道上での自転速度は、4万km/24h=1670km/h,
北緯35o上での自転速度は、3.3万km/24h=1370km/h。
(18)F[N]=km・{(mm’)/r2}={1/(4πμ0)}・{(mm’)/r2}:
〔磁気に関するクーロンの法則〕
km=107/(4π)2[N・m2/Wb2]=1/(4πμ0)
μ0=4π×10-7[N/A2]:真空の透磁率
(2つの電極m[Wb]とm’[Wb]が距離r[m]離れているとき、両者に働く力F[N])
(19)F[N]=mH:〔磁極が磁場から受ける力〕
H[N/Wb]磁場の強さ, m[Wb]磁荷(磁気量・磁極の強さ)
(20)F[N]=μIHlsinθ=IBlsinθ:〔電流が磁場から受ける力の大きさ〕
B[T],[Wb/m2]:磁束密度, l[m]:導線の長さ, H[A/m]:磁場の強さ
θ:電流と磁場のなす角, μ[N/A2]:透磁率 (B=μH)
☞フレミングの左手の法則:F=IBl
電流が磁場から受ける力F=親指 /磁場H=人差し指 / 電流I=中指
(cf) フレミングの右手の法則:
金属棒の運動vの方向=親指 / 磁束Bの方向=人差し指 / 起電力(誘導電流i)
(21)F[N]=(μ0I1I2l)/(2πd):〔平行な電流間に働く力〕 d[m]:電流間の距離,
μ0=4π×10-7[N/A2]:真空の透磁率, l[m]:導線の長さ
(同じ向きのとき引き合う、反対向きのとき反発しあう)
(22)F[N]=qvB:〔ローレンツ力〕
q[C], v[m/s], B[T],[Wb/m2]:磁束密度
・ローレンツ力: 荷電粒子が磁場中を運動するとき、磁場から受ける力。
・電子(-)が磁場から受けるローレンツ力Fの向き[左手の法則を使う]と正電荷(+)が
磁場から受けるローレンツ力Fの向きは反対向きになっているので注意。
電荷が⊕(+q)のとき、左手で親指・人差し指・中指の順にF・B・I(vとする)になる。
(23)F[N]=evB:〔ローレンツ力〕 -e[C]:電子の電荷, v[m/s], B[T],[Wb/m2]:磁束密度
(24)Fy[N]=eE=e(V/d):
一様な電界に垂直に入射する電子のy方向の等加速度直線運動による
力の大きさ(トムソンの実験・電界内のy方向) e[C]:電気素量 E[V/m] d[m]
F:〔ファラデー定数〕F=9.6485309×104[C/mol]
[F]ファラド:〔電気容量〕
1[F]は導体に+1[C]の電荷が蓄えられたときの電位が+1[V]にるような電気容量の大きさ。
1[μF]マイクロファラド=10-6[F], 1[pF]ピコファラド=10-12[F]
F ’ =μ’N:〔動摩擦力〕 N[N]垂直抗力:, μ’:動摩擦係数
(cf)角θで斜めに引くときの摩擦力F[N]=μmgcosθ
(cf)動摩擦係数μ’の水平面を質量mの物体をF[N]で角θ斜めに引くとき、
水平方向について、
Fcosθ=μ’(mg-Fsinθ)…F=μ’NよりF0=μN:〔最大静止摩擦力〕
N[N]:, μ:静止摩擦係数
Fn[Hz]=(n/2l)√(S/ρ):〔弦の固有振動数〕 l[m]弦の長さ,
S[N]:張力,ρ[kg/m]:線密度(弦の1[m]当たりの質量), n=1, 2,…
(cf)v=√(S/ρ) (弦を伝わる横波の速さ。
線密度ρ[kg/m]が小さいほど慣性が小さいため速く伝わる。)
Ft [N・s]:〔力積〕 F⊿tとも (I[N・s]=Ft[N・s]=F[N]×t[s])
(cf)mv[kg・m/s]:運動量
☞力積の単位と運動量の単位は同じである:
力積(力の持続効果)=力[N]×時間[s]⇒力[kg・m/s2]×時間[s]⇒[kg・m/s]
⇒質量[kg]×加速度[m/s]
⇒運動量(運動の勢いつまり相手に力積を与える能力を表す)p[kg・m/s]=mv
Ft[N・s]=mv-mv0またはmv’-mv 〔運動量の変化量〕=力積Ft
物体が外から力積[N・s]を受けると、その分だけ運動量が変化する。
☞キャッチャーは瞬間的にミットを手前に引きながら
ボールを受け止めて受ける衝撃を少なくする理由:
力積=力×時間で、受け止める前と後では力積は一定である。
手前に引くことによって時間⊿tが増すので、力Fは小さくなる。
f[m]:〔焦点距離〕(凸レンズでf>0、凹レンズでf<0)
1/f=(1/a)+(1/b)(レンズの式・レンズの公式) (cf) m=b/a:(レンズの倍率)
←△OPQ∽△OP’Q’の対応する辺の比から
a[m]:レンズと物体間(a>0), 実像はm>0、虚像はm<0
b[m]:レンズと像間(レンズの後方でb>0、前方でb<0)
○レンズの式と像のまとめ:
|
a |
a>2f |
a=2f |
f<a<2f |
0<a<2f |
凸レンズ |
b |
f<b<2f |
b=2f |
b>2f |
b<f, |b|>a |
像の倍率m |
m<1 |
m<1 |
m<1 |
m<1 |
|
像の種類 |
倒立実像 |
倒立実像 |
倒立実像 |
正立虚像 |
|
凹レンズ |
常にb<0で|b|<a, m<1正立虚像 |
f[Hz]:〔振動数・周波数(ν)〕
☞周波数f[Hz]=1/T=ω/(2π), 角周波数ω[rad/s]=2πf
(1[s]での交流の流れる向きの変化の回数)(媒体が振動し1[s]に往復する回数)
ハ長調のラ=440.00[Hz](1オクターブ高くなると振動数は2倍)
(1-1)f [回], n [回]=|f1-f2|〔うなりの回数〕 f1, f2: もとの音波の振動数[Hz]
(1-2) f [回] , n [回]={(2vS)/(V 2-vS2)}・f
〔静止した反射板があるときのうなりの回数〕
fR={V/(V-vS)}・f, fA={V/(V+vS)}・f, fR’={(V+vS)/(V-vS)}・fより
合成してfR’-f。
(1-3) f [回], n [回]=[{2(vA-vR)V}/(V-vA)(V+vR)]・f
〔移動する反射板があるとき(パトカーがトラックに追いつくとき)のうなりの回数〕
fR={(V-vR)/(V-vA)}・f, fR’={(V+vA)/(V+vR)}・fRより合成してfR’-f。
(2)f [Hz]=1/T: T [s]:周期(1回の振動に要する時間)
T=t[s]/n [回]=2πr/v=2π/ω=1/n[Hz]
(3)f [Hz]=v/λ: λ[m]波長, f [Hz]振動数, v [m/s]速さ
反射波の振動状態の変化:
①自由端(反射点の媒質が自由に振動できる)のとき、(媒質の屈折率が大→小のとき)
反射波は入射波と同位相で、仮想入射波と線対称。山は山。谷は谷。
②固定端(反射点の媒質が自由に振動できる)のとき、(媒質の屈折率が小→大のとき)
反射波は入射波と半波長ずれた逆位相で、仮想入射波と点対称。山と谷が入れかわる。
・波動(波+)wave:振動が次々と周囲に伝わる現象。
物質のある点(波源=最初に振動を起こした所)に起こった運動(振動)がその物質内にわずかに遅れて伝わっていく現象。
物体そのものが動いているのではなく、振動のエネルギーが伝わっていく。
波長の長い波ほど回折(隙間の背後に回り込んで伝わる現象)が大きく、スリットの幅が波長に比べて小さいほど、
大きく回折し、波は背後まで回り込んで進む。
・波源source of wave:振動を始める点 ・波長wave length:同位相の隣り合う2点の距離λ[m]
・媒質medium:波を伝える物質。媒質は振動するだけで、波とともに進行しない。波は媒質の境界面で反射・屈折する。
媒質には、質量があリ、変形したときに復元力を生じるものでなければならない。
(水面波の媒質は水・音波の媒質は空気・地震波の媒質は岩石・真空を伝わる光や電波の媒質は真空そのもの)
波の速さは、媒質の復元力と質量で決まる。
・波の要因: 変位をもとに戻そうとする復元力と、運動を続けようとする媒質の慣性。
・縦波longitudinal wave(疎密波compressional wave):
媒質が進行方向と同じ方向に移動する(進行方向と媒質の振動方向が一致している)。
「音波・地震のP波」(表面波は縦波でも横波でもない。)
縦波は、振動が疎と密の波となって振動の方向に伝わっていくので、
縦波を表示するには、「縦波の横波表示法」を使う。
進行方向をx軸の正の向きとして、媒質の各点の正の変位(右矢印)を
y軸の正の向きに変え、負の変位(左矢印)をy軸の負の向きに変えて
横波の波形で表す。
☞x軸上で、波形が山から谷に移るところが密で、谷から山に移るところが疎。
y=sinxがx軸で交わる点で、原点から順に、ドレミファソ…ミが密で、ソが疎になる。
縦波は、媒質の伸び縮みの弾性や体積変形による弾性力が復元力となって伝わるので、固体・液体・気体のどの中でも伝わる。
・横波transverse wave:媒質が進行方向に垂直に振動する。正弦曲線で表す。
「弦の振動・光・電磁波・X線・γ線・地震のS波」
横波は、媒質のずれの弾性による弾性力が復元力になって伝わるので、ずれの弾性のない気体や液体中は伝わらない。ただし、光波(電磁波など)は横波だが、弾性による復元力を必要としない電界と磁界が組み合わさった波で、性質が違うため真空中でも伝わる。地震波には縦波(P波)と横波(S波)があるが、家が上下の縦向きの振動しても縦波による振動ではないし、家が横に振動しても横波による地震ではない。縦波は、媒質の振動方向と波の振動方向が同じ波で、横波は、媒質の振動方向と波の振動方向が垂直な波のことである。
・素元波(そげんは)elementary wave:波面上の各点を波源とする波。波面の各点の振動によって各点が波源となって無数の2次的な球面波が発生して速さvで広がり、この無数の素元波に共通に接する面が新たな波面になることをホイヘンスの原理という。波面に垂直で波の進行方向を示す線を射線という。
〔ホイヘンスの原理〕Heygens’ principle:一般に、波面が速さvで進むとき、ある瞬間での波面上の各点は新しい波源となって、そこから素元波が速さvで送り出される。これらの素元波のすべてに接する面(包絡面)が次の瞬間の波面となる。
・表面波surface wave:水面の波のように、表面近くを円運動する波。水面近くの水が波の進む方向に円運動して進む。水深が増すにつれて、横長の小さな楕円運動になり、深い所では運動しないので、横波でも縦波でもない。地殻の深部に生じた地震波が地表に達すると表面波となって伝わる。海岸に打ち寄せる波は海岸線に沿って曲がって進む。波長が数cm以上の長いうねりは、重力が復元力となっている(重力波)。 v=√(gh) 波長が数cm以下の短いさざ波は、表面張力が復元力として働く。(表面張力波)v=√{(2πT)/(ρλ)}[m/s]
・うねりや風浪は水深が波長と同程度以上の所で起こる表面波で水が円運動している。このときの波の速さはv[m/s]=√{(gL)/(2π)}=g・{T/(2π)}。水深が波長と同程度以下になると、水は横に扁平な楕円運動をするようになり、この波の速さはv[m/s]=√(g h), h[m]:水深, となり伝わる速さは波長とは関係なくなる。このような波を長波といい、津波などが含まれる。
・水の波・水面波 water wave:液体の表面の上下動に対して重力、表面張力などが復元力としてはたらくために起こる波。
縦波とも横波ともいえる。
・表面張力波capillary wave:液体の表面に働く「液の表面積を最小にしようとする力。
表面張力surface tention)」によって起こる波。
表面張力によって、波長数cm以下の表面張力波(さざなみ)が起こる。
速さv=√{(2πT)/(ρλ)}[m/s] ρ:液体の密度 T:表面張力 (波長が短いほど速い)
・定常波standing wave , stationary lightwave:波長と振幅が同じ2つの波が反対向きに進み、干渉した場合(重ね合わせの原理)、左右どちらにも移動しない波ができる。全く振動しない点が「節」で、媒質が最も大きく振動する点が「腹」。腹と腹の間はλ/2。定常波をつくる振動をその振動体の固有振動という。
・進行波progressive wave:移動する波。
・正弦波sine wave:媒質が単振動するときに生じる波。 y=Asinπ{(t/T)-(x/λ)}
y=Asin {2π(t/T∓x/λ)+θ0} θ0:初期位相 0≦θ0<2π[rad], { }を位相という。
=Asin(ωt-kx+δ) ω:角周波数[rad/s] δ:初期位相
・進行方向にx[m]だけ離れている点Pの時刻t[s]における変位y[m]は
y=Asinω{t-(x/v)}=Asin2πf{t-(x/v)}=Asin2π{(t/T)-(x/λ)}, ω=2πf
(cf)単振動の式は、y=Asinωt=Asin{(2π)/T}t=Asin2πf t
・衝撃波shock wave, impulse wave:波の移動速度Vより波源の移動速度vのほうが大きいとき発生する。
衝撃波はジェット機や船舶などによってつくられる。V>vのときは、年輪のような波になるが、
V<vのときは、∠AOBの各辺が衝撃波だとすると、各辺に外接する大きさの異なる円が重なる波ができる。
・円形波circular wave・球面波spherical wave波面が球面あるいは円。
・平面波plane wave波面が平面あるいは直線。
・パルス波pulse wave:山または谷が1つだけの単独の孤立した波。(山だけ、谷だけ、山と谷が1つずつ)
・連続波continuous wave, CW:山と谷が連続して進む波。「山と谷が1つずつのパルス波」が複数ある波。
・地震波seismic wave, earthquake wave: P波(縦波)・S波(横波)・表面波(この順に遅くなる)
初期微動継続時間:t=(d/VS)-(d/VP) (表面波は縦波でも横波でもない)
・光波light wave:電界と磁界の変動が組み合わさった横波で、極めて波長の短い電磁波。
弾性による復元力を必要としないので、真空中も伝わる。
真空中の光速c≒3.00×108[m/s](c=2.99792458×108)
☞ヤングの光の干渉じまやフーコーによる水中の光速の測定から、光波は波動である。光は電磁波の一種で、反射・屈折・回折・干渉・ドップラー効果などの性質がある。
反射 |
光は「入射角=反射角」という反射の法則にしたがって反射する。反射鏡を回転させると、反射光線は鏡の回転角の2倍振れる。虚像は反射面に対して対称な位置にできる。 全反射:絶対屈折率の大きい物質から小さい物質に光が進むとき、入射角がθ0になると、光は境界から先に進めなくなる。このときの角(臨界角)より入射角が大きいと、光はすべて境界面で反射する。 臨界角θ0:=n12=n2/n1 |
|
反射による 振動変化: |
①屈折率が大→小での反射:山は山で振動状態は変化しない。 自由端反射と同じで位相はずれない。 |
|
②屈折率が小→大での反射:山は谷で振動状態が逆になる。 固定端反射と同じで位相はπずれる。 |
||
屈折 |
光の屈折:異なる媒質の境界を通ると、進む方向が変化する。 光は「媒質Iに対する媒質Ⅱの屈折率(相対屈折率)は、 n12= sini/sinr=v1/v2=λ1/λ2=n2/n1=一定 つまりn1sini=n2sinr」という屈折の法則にしたがって屈折する。 振動数は、媒質が変わっても変化しないことに注意。 屈折率は速さまたは波長の比のこと。 見かけの水深の深さはh/n (n:屈折率, h:水深) *相対屈折率: sini/sinr=v1/v2=λ1/λ2=n2/n1=一定=n12(媒質Iに対する媒質Ⅱの屈折率) n:屈折率・λ:波長 *絶対屈折率(=屈折率): 真空に対する媒質の屈折率n1=sini/sinr=c/v1=λ/λ1 ・真空中での波長6.0×10-7[m]の光は屈折率1.5のガラスの中での波長は、 f=λ0/n=(6.0×10-7[m])/(1.5)=4.0×10-7 [m]より *ブロッケン現象Brocken phenomenon高山に登ったとき、自分の影が向かい側の雲に映りその周りに虹のような輪ができる。 *シュリーレン現象Schlieren phenomenon氷の下の部分が湯気のようにもやもやして見える。温度差によって光の屈折率が変わる現象。 |
|
回折 |
光波が障害物の裏側に回りこむ現象。 波長の短い青色光より、波長の長い赤色光のほうが回折しやすい。 ・単スリットによる回折じま(回折縞): ①暗いしま:dsinθ=mλ ②明るいしま:dsinθ={m+(1/2)}λ ・回折角:sinθ0=λ/d (d:スリット幅, λ:光の波長, m=1, 2, ….) ・回折格子:多数のスリットを等間隔で並べたもの。 回折格子の明るいしま:dsinθ=mλ ☞回折は、隙間や障害物の大きさに比べ、波長が長いほど回折が大きく、短いほど小さい。(短いほど直線性が強い) |
|
干渉 |
複数の波(光)が重なり合ったとき、強め合ったり(山と山、谷と谷)、弱めあったり(山と谷)する現象。 光の場合、強め合う所は明るくなり、弱め合う所は暗くなる。シャボン玉の色は膜の表面からの反射光と、被膜の中に入って反射し再び外に出た反射光が干渉する。シャボン玉の膜の厚さが刻一刻と変化するので色が揺らいで見える。 ①強め合うときの光路差=mλ (m=0, 1 2,…) ②弱め合うときの光路差={m+(1/2)}λ (m=0, 1 2,…) 重要 |
|
回折格子 透明で平らなガラスの表面にダイヤモンドカッターなどで1cm当たり数百本から数千本の細い筋を平行かつ等間隔に引いたもの。非常に多数のスリットが狭い幅で等間隔に並べられたもの。垂直に光を当てると、細い筋の部分に当たった光はいろいろな方向に散乱するが、筋と筋の間は光が透過し、この部分がスリットの働きをする。筋と筋の間の間隔を格子定数dという。 コンパクトディスク(CD-ROM)・南米に生息するモルフォチョウの羽(翅)・クジャクの羽根・貝殻の内側・熱帯魚のネオンテトラの体などは反射型回折格子の例。 回折格子による干渉(強めあう条件): dsinθ=mλ (d:格子間隔・格子定数, 次数:m=0, ±1, ±2, …) |
||
薄膜による干渉: シャボン玉や水面に広がる油膜に見られる虹のような色が見られる現象で 光路差による光の干渉によって起こる。 ①強めあうとき2nd=2m・(λ/2) ②弱めあうとき2nd=(2m+1)・(λ/2), (m=0, 1, 2, 3, ….) 屈折率が小さい方から大きい方への反射では移送がπだけずれ(固定端)、逆の場合は位相は、ずれない(自由端) ・薄膜の屈折率nが、膜の下の物質の屈折率より大きいとき、 明るくなる条件は2ndcosθ={m+(1/2)}λ, 暗くなる条件は2ndcosθ=mλ。 ・薄膜の屈折率nが、膜の下の物質の屈折率より小さいときは、明暗の条件が入れ替わる。 ・厚い膜の場合、単色光では干渉が起こるが、白色光では干渉は観察されない。すべての色の光が強めあう場合がある。白色光はいろいろな光の波長が集まった光であるので、波長によって強め合う位置が変わり虹のように色づいた干渉縞が現れる。 ・光路差・経路差: 同じ光が2つの道筋に分かれて再び重なるとき、2つの道筋の光の差、つまり光学距離の差。干渉する2つの光波のたどった道筋の距離の差。経路の差を光学的距離に直した値。PAPとPABAPの距離の差。) ・光学的距離 屈折率nの媒質中の距離をn倍した値nL。屈折率nの媒質の長さLは真空中の長さnLに相当する。この長さのこと。光学距離・光路長とも。 ☞薄膜による干渉では、空気から油へ向かう境界面での反射は、 ①屈折率が小さい物質から大きい物質へ向かう反射であるので、 反射するときに山と谷が入れ替わる。 ②油から水へ向かう境界面での反射は、屈折率が大きい物質から小さい物質へ向かう反射であるので、反射するときの波は山は山、谷は谷で反射する。したがって、ヤングの実験の干渉条件とは、明るくなる条件と暗くなる条件とが入れ替わる。また、経路差は油膜の中を進む分を考えればよい。 |
||
・ヤングの干渉実験: 1つのスリット(単スリット)を通した単色光を、さらに2つのスリット(複スリット)に通すと、スクリーンに縞模様が現れる実験。回折した光が干渉し合って縞模様を作る。 ①明るい縞(しま):xd/l=mλ ②暗い縞(しま):xdx/l={m+(1/2)}λ (dxでもよいが微分と間違いやすいので注意) ・ヤングの実験による縞(しま)の間隔:⊿x=(lλ)/d (暗線の間隔も、明線の間隔も同じになる。) |
||
・くさび形空気層による干渉: 2枚の平面ガラスを重ね、一方を密着し、他方にアルミ箔などの薄い(細い)物体を挟むと、ガラス板の間にくさび形の薄い空気層ができる。上から垂直に光を当てると、上のガラスの下面と、下のガラスの上面で反射した光が干渉しあって2枚のガラス板が重なった部分に平行に等間隔の縞模様が現れる。Lだけ離れた所に厚さDの薄い紙を挟む実験。 ・m番目の明るい縞の位置xmと縞の間隔⊿x: xm={Lλ/2D}{m=(1/2)}, ⊿x = Lλ/2D ①明線条件:2xtanθ=2xd/l={m+(1/2)}λ (m=0, 1, 2, ….) ②暗線条件:2xtanθ=2xd/l=mλ (m=0, 1, 2, ….) |
||
・ニュートンリングによる干渉:平らなガラス板の上に半径の大きな球面をもつ平凸レンズを曲面を下に向けて載せて、上から単色光を当てると、レンズの接点を中心とした同心円状に明暗の縞模様が見える現象。平面ガラスと平凸レンズの間に薄い空気層ができて、球面から反射した光と平面ガラスの上面から反射した光とが干渉して生じる。 光路差d≒r2/2R (直角三角形PAO’を使う) R: 平凸レンズの曲率半径, r:環の半径 明るいリング:r2/2R ={m+(1/2)}λ, 暗いリング:r2/2R=mλ, (m=0, 1, 2, …) ・上での反射は、屈折率が大→小(自由端)であるので、位相はずれない。 ・下での反射は、屈折率が小→大(固定端)であるので、位相は半波長ずれる。 〔別の表現〕 ニュートンリングの干渉条件は、明るい環:r2/R=(λ/2)×(2m+1), (m=0, 1, 2, …) 暗い環:r2/R=(λ/2)×2m, (m=0, 1, 2, …) ・レーザー光は位相がよくそろった光であるため、可干渉性のよい光である。 |
||
偏光 |
振動方向が1つの方向だけに偏っている光。 |
|
光波(ふつうの光)は横波で、いろいろな方向の振動面をもった光の集まりであるが、偏光板を通すと1つの振動面をもつ光だけが通り抜ける。偏光はその振動面と同じ方向の軸をもつ偏光板は通るが、垂直な方向の軸をもつ偏光板は通れない。 |
||
分散 |
光が振動数(波長)の違いによって帯状に分けられること。帯状の光をスペクトルという。 |
|
光は振動数ごとに分解される。振動数(波長)によって屈折率が異なることを利用して、太陽光などの白色光をプリズムでスペクトルに分けることができる。波長の長い方(屈折率最小)から、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫(紫は屈折率最大)・可視光線(人の目に感じる光。波長380~770[nm]) 赤(波長大・振動数小・屈折率小) 紫(波長小・振動数大・屈折率大) ・真空中の波長が450[nm], 1[nm]=10-9[m]の青い光の振動数は、 f=c/λ=(3.0×108[m])/( 45×10-9)≒6.7×1014[Hz] ・単色光(1つの波長からなる光。レーザー光やナトリウムランプから出る光。) ・白色光(太陽光・色合いを感じない光。いろいろな色の光が混じって白く見える) |
||
散乱 |
光が進むとき、分子や微粒子などに当たって、さまざまな方向に向きを変えて散っていく現象。 |
|
光は大気を通過するとき、一部は微粒子を中心としてあらゆる方向に広がっていく。太陽が地平線近くにある朝夕には、太陽光は観測者まで距離が長いため、赤色光(610~700nm)より波長の短い青色光(450~500nm)は大きく散乱するため、遠くまで届かない。このため波長の長い赤色光が地上に届き、朝日と夕日は赤く見える。昼間、空が青く見えるのは、太陽光が大気層で散乱するから。粒子の大きさが、光の波長より小さいと、波長の長い赤い光は散乱されにくく、波長の短い青い光は散乱されやすい。晴れた日中の空が青く見えるのは、大気中の分子などにぶつかってあらゆる方向に散乱して進む太陽光を見ているため。 |
○光の干渉のまとめ:(m=0, 1, 2, …)
|
透過光を用いた干渉 |
反射光を用いた干渉 |
|||
|
ヤングの実験 |
回折格子 |
薄膜 |
くさび形 |
ニュートンリング |
光路差 |
xd/l |
dsinθ |
2ndcosθ |
2xd/l |
r2/R |
強め合う条件 (光路差) |
mλ |
{m+(1/2)}λ |
|||
弱め合う条件 (光路差) |
{m+(1/2)}λ |
mλ |
|||
さらに反射の場合があるので注意。 |
・音波 sound wave:疎密波つまり縦波であるので媒質があれば伝わる。媒質のない真空中は伝わらない。
☞波動である音波には、反射・屈折・回折・干渉・ドップラー効果・うなり・共鳴の性質がある。
屈折 |
よく晴れた昼間は遠くの音が聞こえにくく、夜は、遠くの音が聞こえやすい。昼間は上空が低音で、夜間は地面が低音で、低音層側に音波が屈折するためにおこる。つまり、地上の温度が低く、上空の温度が高い夜間は、音波の伝わる方向が次第に水平方向に近づくため、昼間より遠くの物音がよく聞こえる。逆に地上の温度が高く、上空の温度が低い昼間は、地上で発した音波は屈折によって次第に鉛直上向きになるため、遠くまで伝わりにくい。 |
干渉 |
振動数のわずかに異なる音叉(おんさ)を同時に鳴らすとうなりが聞こえる。 |
回折 |
物陰に居る人の話し声は、姿が見えなくてもよく聞こえる。高い壁のような障害物を挟んでいても、後ろ側の音が聞こえる。回折のしやすさは、波長による。音波は光波より波長が長いため回折現象が現れやすい。音波の波長は障害物の大きさと同程度であるが、光は波長が極めて短いためほとんど目立たない。障害物の大きさと波長が同程度のとき、音の回折は著しい。 |
反射 |
谷を挟んだ向こうの山に叫んだ声は、少し遅れてこだまとなって繰り返し聞こえる。 |
ドップラー 効果 |
音源が動いたり、観測者が動いたりするときに音源の振動数とは異なった振動数が観測される。観測者に近づいてくる音源の振動数は増加し、遠ざかるときは減少する。 f '={(V-v0)/(V-vs)}f (音源が観測者に向かう向きを正とする) |
・超音波 supersonic wave:可聴音(20~20000Hz)より振動数の大きい音。2万Hz~。波長が短いため、回折が少なく、指向性が強い。コウモリやイルカなどは超音波を発信し、その反射音で障害物や獲物を探知する。超音波には①水晶の圧電現象を使って高周波電圧をかけて振動させる水晶振動子、②フェライトなどの強磁性体などに巻いたコイルに高周波電圧をかけて振動させる磁歪振動子、③チタン酸バリウム磁器(誘電率数千~1万)に電極をつけて直流高圧をかけて振動させる電歪振動子などがある。チタン酸バリウム磁器とチタン酸バリウムとは別。チタン酸バリウムbarium titanate(酸化バリウムBaOと酸化チタン(Ⅳ)TiO2からなる化合物で化合物名は酸化チタン(Ⅳ)バリウム。チタン酸塩ではない。通常1:1の化合物であるBaTiO3を指す。融点1610℃。高温で酸素を失い、半導体となり黒色を呈す。酸、アルカリに侵されにくい。
・反射波 reflected wave:①自由端で反射する波は、位相は変化しないで、上下はそのまま。反射波を描くと、入射波を延長し媒質の端をこえた部分の波を線対称に折り返し合成した波になる。②固定端で反射する波は、位相がπだけずれて上下が反転する。反射波を描くと、入射波を延長し媒質の端をこえた部分の波を点対称に折り返して合成した波になる。
・屈折波refracted wave:
・電磁波 electromagnetic wave:電場(電界E)と磁場(磁界H)が互いに垂直に絡み合ってz軸の方向に伝わる横波。変動する電界と磁界が光の速さで伝わる波。電気的な振動と磁気的な振動が空間を伝わる現象において、変動する電界が変動する磁界を発生させ、変動する磁界が変動する電界を発生させ、電界と磁界が波として空間を伝わるもの。分子や原子の熱運動でも電磁波が放射される。一般に、荷電粒子が加速度運動すると電磁波が発生する。加速度運動する荷電粒子の周りに電界のひずみができるためで、等速運動する場合は電磁波を発生しない。電場ベクトルEから磁場ベクトルHの方へ右ねじを回したとき、右ねじの進む向きが電磁波の進む向きである。右手の法則を使うと、人差し指を電場、中指を磁場とすると、親指の向きが電磁波の進む向きとなる。(波長λが0.1mm以上を電波という。)電磁波を発生源から空中に飛び出させるためには、電気力線や磁力線を光速で動かす。
波長の短い方から順に、γ線(原子核の状態の推移によって発生)・X線(電子の状態の推移によって発生)・紫外線(波長380nm以下)・可視光線(光)・赤外線(波長770nm以上)・電波。横波で偏りがある(偏波)。反射・屈折・干渉・回折などの性質をもつ。真空中での速さは光速と同様、
3.00×108[m/s]=1/√(ε0μ0), c=fλ or c=νλ(波長λ,振動数f,ν)
可視光線は、人の目が感じることができる、波長が
約3.8×10-7~7.7×10-7 [m]の範囲の電磁波である。
・短波長(青の領域400~500nm)・中波長(緑の領域500~600nm)
・長波長(赤の領域600~700nm)
赤[700~610nm]・橙[610~590nm]・黄[590~570nm]・緑[570~500nm]・青[500~450nm]・青紫(菫[キン]・紫とも)[450~400nm] (ニュートンの分光実験による)
(cf) 藍色indigo ☞赤[640~770nm]・橙[590~640nm]・黄[550~590nm]・緑[690~550nm]・青[430~490nm]・青紫(菫[キン]・紫とも)[380~430nm]というのもある。
・ヘルツ波 Hertzian wave [ha:ts]ともいう。
光と同じように、反射・屈折・回折・偏り(偏波)がある。
波長が長いほど回折しやすく、短いほど直進性が強い。
・テラヘルツ波 THz(terahertz): テラ波ともいう。
周波数0.1~10THzで、電波と光の中間帯。
X線がもつ物質をすり抜ける透過力と、赤外線がもつ成分
や種類を見分ける透視力をもつので、紙やプラスティックを見分けることができる。
・電波 electric wave, radio wave:
波長λが0.1mm(=10-4m)以上の電磁波。(波長λ=105[m]~ 10-4 [m]の電磁波のこと。つまり電波は電磁波の1つ。)電気回路の振動で発生する。振動回路に高周波の電気振動を起こし、アンテナに振動電流を発生させる。電磁波の1つで、超長波VLF・長波LF・中波MF・短波HF(F層と地面との間を反射して地球の裏側にも達する)・超短波VHF・極超短波UHF・センチ波SHF・ミリ波EHF・サブミリ波などがある。(下線部の電波をマイクロ波という。) 電波の反射を利用したものがレーダー。指向性の強いマイクロ波を発射して遠方の導体による反射波をとらえる。
・宇宙電波 cosmic radio emission:
地球外から来る電波のうち発生源が太陽系(太陽電波)以外のものの総称。
銀河電波や電波星・電波銀河からくるものもある。
・光波 light wave: 電磁波の1つで、赤外線・可視光線・紫外線など。
・偏波(へんぱ)polarized wave:
媒質の振動方向が進行方向を含む1つの平面に限られる波
(光の場合は偏光polarized light)
・電子波 electron wave:
物質波の1つで、電子を加速したとき、光の波長λ=h/(mv)で示される波。
h=6.63×10-34[J・s](プランク定数)
結晶に当てると回折像をつくり波動性を示すので電子顕微鏡などに利用。
・物質波 material wave:
電子や原子などの物質粒子を伴う波。ミクロの世界で粒子がもつ。
波長λ= h/(mv)で流動性がある。ド・ブロイ波 de Broglie waveともいう。
電子の場合は電子波。光同様、電子1個の働きを1つの波束として表せる。
陽子や中性子の場合は、陽子波、中性子波。
デビッソンとガーマーは数百Vで加速した電子線を
Niの単結晶面に当てて回析像を観測し、物質波説を実証した。
(4)f [Hz]={(V-vo)/(V-vs)}・f0:〔ドップラー効果〕
(音源vs・観測者voともに正方向の場合)+w
f [Hz]観測される振動数, f0 [Hz]:音源の振動数,
V [m/s]音速(340 [m/s]), vs [m/s]音源の速度, vo [m/s]観測者の速度
(5)f [Hz]={(V+w-vo)/(V+w-vs)}・f0:〔ドップラー効果〕
(SO方向にw[m/s]の風が吹く場合)Oが風下(w>0),Oが風上(w<0)
(6)f [Hz]={(V-vo)/(V-vs cosθ)}・f0:〔ドップラー効果〕
(音源SがSO方向に対して角度θの向きに動く場合)
(7)f [Hz]={(V+v0cosθ’)/(V-ucosθ)}・f0〔ドップラー効果〕
(直交する交差点に音源と音速が近づいていくとき(斜めに動くとき))
(8)f [Hz]= {(V-w+vo)/(V-w-vs)}・f0:〔ドップラー効果〕
振動数f0 [Hz]の音源が、速さvS [m/s]で
w [m/s]の速さで吹いている風に逆らって動くとき、風下に向かって(音源の方へ)
速さvo [m/s]で動く観測者に聞こえる音の振動数f[Hz]
風は、音源や観測者が動くときにはドップラー効果に影響するが、音速が変わるが同じ割合で波長も変わるため、風だけではドップラー効果は生じない。
音源と観測者が静止しているときはvs=0, vo=0よりf=f0となりドップラー効果なし。
(9)f [Hz]= (V+vR)/(V-vR)・f0:〔ドップラー効果〕
観測者が聴く反射音f0={V/(V-vR)}fRと壁に届く
直接音fR={(V+vR)/V}・f0より合成。
(壁R・音源S・観測者Oの順に並んでいて、静止している音源Sと観測者Oに向かって壁Rが速さvR [m/s]で近づくとき、壁Rで反射した音を観測者Oが聞くときの振動数)
☞ドップラー効果:
観測者Oが音源Sから遠ざかると、振動数が低く観測されるので音は低く聞こえ、
音源に近づくと振動数が高く観測されるので、音が高く聞こえる現象。
(光のドップラー効果もある)
・直線道路の近くにいる観測者が、左遠方から右遠方に一定の速さu[m/s]で
移動する振動数f0 [Hz]の音源を観測すると、
①左遠方のとき:f [Hz]=V/(V-ucos0o)・f0= V/(V-u)・f0
②左側から接近するとき:f [Hz]=V/(V-ucosαo)・f0
③観測者の前を通るとき:V/(V-ucos90o)・f0= V/(V-0)・f0= f0
④右を遠ざかるとき:f [Hz]=V/(V+ucosαo)・f0
⑤右遠方のとき:f [Hz]=V/(V-ucos180o)・f0= V/(V+u)・f0
f0 [Hz]:音源の振動数(音…縦波、疎密波)(光・電磁波[X線も]…横波)
f0 [Hz]=1/{2π√(LC)}:〔回路の共振周波数・固有周波数〕(RLC回路で)
R[Ω]:電気抵抗, L [H]:コイルの自己インダクタンス, C [F]:コンデンサーの電気容量
(cf)ω0[rad/s]:共振周波数(固有角周波数)(RLC回路で) ω0[rad/s]=1/√(LC)
(cf)周期T[s]=1/f0=2π√(LC)
fn [Hz]=(2n-1)/(4l)・V: (n=1, 2, …)〔閉管の固有振動数〕(気柱の振動)
(閉管が節、開管が腹になる) l[m]:管の長さ, V[m/s]:音速
fn [Hz]=n/(2l)・V: (n=1, 2, …)〔開管の固有振動数〕(気柱の振動)
(両端が腹) l[m]:管の長さ, V[m/s]:音速
[f] フェムトfemto: 10-15(SI接頭記号)
[μF] マイクロファラド:〔電気容量〕 1[μF]マイクロファラド=10-6[F]
[pF] ピコファラド:〔電気容量〕 1[pF]ピコファラド=10-12[F]
φファイ=2π{(t/T)-(x/λ)}:〔位相〕 T [s]周期, λ[m]波長, t [s]
Φファイ[Wb]=BS:〔磁束〕 S [m2]磁場に垂直な断面の面積, B [T]テスラ:磁束密度
(cf)Qm[Wb]:磁極 (cf)磁束φ[Wb]もある
Φe:〔電束〕 Φe =ε0SE(コンデンサーの極板間の電束)
E[V/m]極板間の電場の強さ V[V]極板間の電圧 S[m2]極板の面積
☞電束電流+ displacement current:
コンデンサーを含む回路に振動電流が流れると極板間の電場が変化する。このとき極板間には電子の移動はないが両方の極板に繋がる導線に、あたかも極板間を電子が移動しているように電流が流れる。極板間の電場の変化を一種の電流とみなして電束電流という。
☞磁力線+magnetic line of force, line of magnetic force:
N極から出てS極に向かう磁界の様子を示す曲線で、接線の方向が磁場の方向を示す。電気力線と同じように、密度が磁場の強さに比例するように強い所は密になるように引く。
☞磁束線+line of magnetic induction:
磁束密度B[T]ベクトルの向きが、接線の方向と一致するようにかいた曲線。
磁力線と違って磁極から湧き出したり、磁極に吸い込まれたりせず、
磁極体の中を通って必ずもとの点までもどるひとつながりの閉じた曲線になる。
☞電気力線+(でんきりょくせん)line of electric force, electric lines of force:
各点の電界の矢印を滑らかに繋いだ線で、電界の向きに引いた、磁界の様子を表す曲線。正電荷⊕から負電荷⊖に向かう。つまり、電気力線の向きが、その点の電界の向き。正電荷は電気力線の噴き出し口で、負電荷は電気力線の吸い込み口になる。磁力線と同じように、密度が磁場の強さに比例するように強い所は密になるように引く。折れ曲がり、交差、枝分かれしない。各点の電界の方向は、各点の電気力線の接線の方向。E[N/C]の電界=電界に垂直な面1m2あたりにE[本]の電気力線。
☞陰極線+ cathode rays:
0.01mmHg以下の低圧の気体の放電管において、
陰極から放射される電子[負電荷をもつ]の高速な流れ(電子線)。